瀬戸貯水池。
近畿圏最強の秘境ダムとも幻のダムともいわれる揚水式発電所の上部貯水池。
下池である旭ダムから直線距離では1.2kmほどしかないのに水面標高差は500mにもなることは確かにすごいが、ダムまでは舗装された管理道がついているので、じつのところ幻でも秘境でもない。
ただ、この管理道はマイカーはもちろん徒歩でもいっさい立ち入ることができず、見学会なども開かれていないため、ダムマニアのあいだで訪問難易度の高さからそのようにいわれているようである。
空撮をもってしても堰体がやっとで貯水池の姿までは捉えることはできなかったが、一日がかりでハードな山歩きをしてダムに挑んだ猛者たちの栄光と挫折が、瀬戸ダムの名に畏敬をまとわせている。
陸の孤島のような紀伊半島の最深部にあり、入山ポイントまでクルマで行くだけでも多大な時間を要する。
