だいにふくろぐらだむ。



房総半島で探検気分の秘境ダム
房総半島は首都圏の住人にとっては手軽にドライブや鉄道で行ける休日スポット。それでいながら観光の方はいまひとつ不器用というか気合がスッポ抜けた「そっけなさ」が、大きな魅力だったりする。「秘湖」や「秘湯」に大型観光バスがぞくぞく来るような21世紀のニッポンにあっては、なお貴重だ。
山は丘陵ないし低山ばかりだが、ルートや設備、シャトルバスまで整備されたメジャー高山にはない「冒険感」を存分に味わえるフィールドが豊富。その魅力に気づいたのは、50も過ぎての最近のこと。灯台もと暗しというか、学生のころさんざんオートバイで走りまわって食傷気味だった房総半島が四半世紀を過ぎて輝いて見える今日このごろ。
そんな房総には数々の秘境ダムがある。秘境ダムといっても黒部や立山の奥地のような命がけで行くような秘境ダムとは違って標高はせいぜい100メートル台。熊もいないし。
それでも房総には長年未踏の激ヤバダムもいくつかあることが分かってきたが、ここはまず「ダム便覧」に掲載され、ダムマニアのみならず冒険愛好家たちからも熱視線を集めてきた第2袋倉ダムを紹介しよう。
素掘りトンネルが崩れ、橋は崩落。でも一番コワいのは・・
この貯水池はアースダムの第1袋倉ダムとともに鴨川市の古い上水道水源池(農業用水と共用)で、現在は橋やトンネルの崩落のため徒歩でもアプローチに苦労するが、けっこうちゃんとした堤高24.3mの重力式コンクリートダムだったりする意外性も小憎い。
しかしここで私が恐れているのはヤマビル。一度、静岡県の幻の池「池の平」を攻略した際に酷い目に遭って以来トラウマになっている。数週間前も離島でチャドクガに手ひどくやられ、いまだ後遺症で痒い。マダニもやられると致死率高いし、熊も怖いけど、見えない系の小さい連中も怖い。
こんなんで水道水源池として現役?
それにしてもこんな状態の貯水池が果たして上水道水源池として現役なのだろうか?
鴨川市の水道局が公開している資料に記載された水源一覧を下に。これによれば現役! 方法はいたってシンプル。表に「ダム放流」とある。つまりダムを越流して川を流れ下ってきた表流水を取水して浄水。だから貯水池近辺に浄水場がなかったわけだ。しかし直接取水できないなら貯水池の意味ってあるのかな?
アクセス
マークした場所までは舗装林道。ここまではクルマで来ることができるが駐車スペースが厳しい。びっくりしたことに住んでいる人に鉢合わせして怒られた。そんなとこも房総っぽい味、なんていっている場合じゃなくて、道も狭いので迷惑にならぬよう細心の注意を。
ダムへのアプローチについてはネット上に多くのレポートや写真が出ているのでそちらを。
第2袋倉ダムの空撮写真
さしたる山奥でもないのに、ダム堰体以外は道路も鉄塔も何ひとつ人工物が見えないのがすごい。じつはダム湖の奥にヤバい鉄橋が隠れているという噂も。