水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

羽根倉池(埼玉県神川)

はねくらいけ。

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取水設備のメカ感が目をひく羽根倉池。

改修をめぐる国と地域とのワークショップで、釣りや野鳥観察にも検討が。

大正時代築造の溜め池を平成16年から国営神流川沿岸農業水利事業の一環として大規模改修。
水利ネットワーク内のハブ的なとしてファームポンドとして、水路やパイプラインで周辺のファームポンドと結ばれている。この事業においては、夜間に貯留した水を日中の農業活動時間に放出する水量調節池の意で「ファームポンド」という用語が使われている。
改修時に画期的だったのは、地域住民との4回にわたるワークショップを通じて要望に対する技術的検討が行われ、行政と地域が相互に意見を調整しつつ池の具体的な整備内容が練られたことにある。

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池のまわりの遊歩道と護岸のようす。

野鳥の観察施設については、スペース的な問題で困難とされた。また、かつてここではへらぶな釣りをする人もいたことから、釣り場がほしいという要望もあった。(反対に、いらないという意見もあった)
これについては賛同者が少なかったのか、専用施設は設けないことで決着。どの程度の人が利用し、誰が管理するのかなどの計画が必要ということだった。
現在、池の周囲に遊歩道はあるものの、柵が設けられており水辺には降りられないようになっている。柵内立入禁止看板はあったが釣り禁止看板は見あたらなかった。
水鳥のバンが集まる環境を守ろうと整備時に人工浮島が設けられたが、三つほどが定着しているようすだった。魚影としては、ブルーギルを目視確認できた。

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池全景とブルーギルの魚影。


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池岸に立つ神流川沿岸農業水利事業の案内板。羽根倉池がハブとなるファームポンドという位置付けになっている。