パンケ沼とともにサロベツ原野では、かなり目立つ兄弟池である。
アイヌ語でパンケ沼は下流側の沼、ペンケ沼は上流側の沼、との意で、サロベツ川の太古の姿をとどめる河跡湖ということであるが、そのスケールの大きさと同時に原生的なサロベツ原野の姿を今にとどめる保存庫としての価値を感じる。特に流れ込みは岬状に土砂が堆積したところに木々が茂り、その中を道のように川筋が屈曲しながら伸びているさまはアマゾンのような迫力だ。とはいっても沼の近くまで耕地化された人工の直線が迫っている。
空から沼を見てまず目にとまるのは、土砂の流入で全体的に底が見えるほど浅くなっている点。岸のエッジもパンケ沼ほど明瞭ではなく、まるで干潟のようだ。人が手をつけなければ数十年待たず沼は湿原へと姿を変えていきそうだ。それもまた自然の姿として、ただ見守るという方法もあるかもしれない。
きれいな円形の浮き島状の植物群落がいくつも見えるが、なぜこんなきれいな円形になったのだろう。
パンケ沼の方は駐車場や遊歩道、展望所があるので、池に会いに行くことは難しくはないが、こちらペンケ沼はアクセス方法が分からず、長年、近づけないでいた。2017年にパンケ沼側から空撮を試みたが雨のためいまひとつその姿を捉えられなかった。
2019年にペンケ沼近くからリベンジ空撮を行なって、やっと全貌を俯瞰することができた。といってもこの沼と相対するには、まだまだスタートラインといったところ。