荒雄湖。荒雄湖畔公園。
日本人による初めてのアーチ式コンクリートダム。
昭和32年、国産初のアーチ式コンクリートダムが紅葉と温泉の名所として名高い鳴子峡の近くに落成した。
堰体高95m、幅215mの巨大なアーチを描く重厚なコンクリート塊は、錦秋に染まった断崖の渓谷に深い楔のようにそびえていた。自然が手がけた複雑な地形と植生を断ち切るコンクリートのシンプルな曲線。人工物とはいえ半世紀もたつと、どこか厳かささえ感じる。
多目的ダムとして利水、発電、治水を担い、地域の営みを守ってきた。また、荒雄湖と名付けられたダム湖の上流側には湖畔公園があり、キャンプ、バーベキューのほか、カヌー体験や水遊びもできるアウトドア・フィールドとして多くの人に親しまれている。
5月に行われる観光放流で、融雪水を8門のクレストゲートから放水された水が白いカーテンとなって黒ずんだコンクリートのアーチに沿って流れ落ちるさまは一見の価値あり。
堂々たる堰体。
レジャーフィールドとしても満足度高い
ダム湖上流側には荒雄湖畔公園があり、キャンプ、バーベキュー、広場、テニスなど施設も充実している。また鬼首温泉も近い。
ダム湖下流側には鳴子温泉郷、鳴子渓谷があり、新緑・紅葉は県内外から多くの人が訪れる観光地となっている。
ダム湖より上流の荒雄川は東北屈指のルアー・フライの人気フィールド。良型のニジマスのほか、イワナ、ヤマメが狙える。地元漁協によりエリアや禁漁区、禁漁期、入漁料等のルールが細かく定められているので事前に問い合わせた方がよい。
堰体下の渓谷
堰体までは断崖の中腹に設けられた遊歩道を歩いて300mほど。
案内板
堰体下の駐車場