水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

名頃ダム(徳島県三好)

なごろだむ。
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酷道439(よさく)で行く阿波一の秘境ダム。

だいぶ改修が進んできたとはいえ、ところどころでその酷道ぶりは健在だった。国道439こと「よさく酷道」全線制覇をめざして20年以上前の若いころにオートバイで二日ほどかけて走ったことがある。
この日は、大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)の深い谷から西祖谷の峠を新しいトンネルで越えて439を回避し、祖谷のかずら橋から先は祖谷川に寄り添う439に合流。祖谷渓を延々とさかのぼっていくと、標高800mを越えたあたりで名頃という小さな集落に入った。
ここで国道はもはや生活道、いや路地と化している。そんな小路を自転車に乗った外国人、ザックを背負って歩いている外国人、オカルトのような案山子を見ている外国人・・ここはどこの国?
このあたりは「天空の村・かかしの里」として2018年10月のNHKニュース番組で採り上げられた。日本人にとっては限界集落にしか見えないような山里の風景が、今なぜか外国人に大人気の観光スポットになっている、というような話だった。
ここからおよそ1.5km、山を捲いて高度を上げると立派な重力式コンクリートダムの堰体サイドに出た。正面からダムが見えるポイントがあるはずだが見逃してしまったようだ。
四国電力の発電用ダムだが、まず阿波一の秘境ダムといって差し支えないだろう。もっともクルマで行けるのだから秘境は大げさかもしれないが、このダムに会うためには「よさく酷道」と半日付き合う覚悟と気合がいる。
ダム湖を奥へと進んでいくと、奥祖谷の二重かずら橋の入口があり、駐車場が整備されている。ここも外国人が多かった。
振り返れば、たどってきた谷に衝立(ついたて)をしたような三嶺(みうね・1,894m)が視界を圧する。
名頃は二百名山にもなっているこの山の登山口でもある。もっとも山頂までの往復11kmで6〜7時間はかかる。

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奥祖谷かずら橋の駐車場。視界を覆うようにそびえるのは、高知県最高峰の三嶺。日本二百名山および四国百名山に選定


マークした場所に舗装駐車場。