みだがいけ。
2500m峰の肩にのった天空の水辺。
百名山・日光奥白根山の肩にのった小庭園のような水辺。すぐ横に関東以北では一番の高さをもつ奥白根の頂上が巨大な岩襖となってそびえ、山肌に取り付いた登山者の姿が列となって見え隠れしながら頂までつづいている。
これから頂上をめざす者、登頂を終え充実と疲労をまとった者が混在となって憩うこの天空の汀は、まさに登山者のオアシスの様相を呈していた。
それにしても『日本百名山』の奥白根の項で、著者の深田久弥がこの池についてまったく触れていないのはなぜだろう。深田は湯ノ湖側から前白根を経て登頂し、下山は上州側をとったと記している。五色沼についてはくわしく書いているだけに、弥陀ヶ池は名さえ出てこないのは不思議である。あるいは比較的新しくできた池なのだろうか。
弥陀ヶ池までは丸沼近く、大駐車場がある高原の駅からロープウェーを使ってのルートが一般的だが、菅沼登山口からの自力登山ルートもある。菅沼登山口には菅沼キャンプ場やドライブイン茶屋もあるが登山者用駐車場は有料。
どちらのルートも徒歩は片道2時間を要する。肩から少し歩くと、すり鉢の底にある五色沼も見える。水辺まで下りていくのは35分だが戻ってくるのは上りとなり50分。7月が高山植物のベストシーズン。
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