南大東島の上水道水源がこんな町中に。
離島での上水道水源は、降雨量が多く山がちの島では伊豆諸島の八丈島のように水源池および浄水設備の建設や地下水の活用などで対処できるところもあるが、絶海の孤島で山のない特殊地形の南大東島ではどうであろうか。
瀬戸内の島のように本島からの海底送水管を通じた給水は到底のぞめないし、各戸における天水の活用にも限界がある。
農業用水こそ既存のカルスト湖沼群や地底湖の水、ファームポンドへの貯水でまかなっているが、上水道水源池が見あたらず不思議に思っていた。
じつはこの島での生活用水は、海水淡水化施設が生み出したものだった。
1990年から町役場近く、郵便局の隣に海水を淡水化する設備が稼働している。海水から1日に280トンの生活用水を逆浸透法・一段脱塩法で精製。
現地に行ってみると、そびえるような四角柱の塔が。隣には旧施設なのか、補助設備なのか、鉄骨に掲げられたタンク状の構造物もあった。
一般的な形態の池ではないものの、島の生活を担う重要な貯水池として掲載することにした。