【とりのうみ。岩木山】
江戸時代に爆発した火口跡。
津軽富士とも呼ばれる岩木山(1,625m)は青森県の最高峰であり、百名山にもなっている。
遠望すると、すっきりと美しく裾を引く形状であるのに、その山頂は度重なる火山活動の激しさを思わせる混沌ぶりを見せる。
一般的にその頂は鳥海、岩木、巌鬼(がんき)三つの峰でなるとされるが、中央の岩木以外は、襟巻きのように取り巻く外輪山の峰々の二峰にすぎない。
岩木山には、もともと直径800mもの火口があり、あるいは巨大火口湖を形成していたかもしれないが、山体崩壊が激しく痕跡をとどめていない。
標高1450mほどの九合目に点在する火口跡の中で唯一、水面(みなも)をたたえている種蒔苗代の裏手に、鳥ノ海がぽっかり口を開けている。
火口の底はちょっと身をすくめるほど深く、エッジに休憩用のベンチがあった。
山頂への登山路はこの縁を捲くように登ると、すぐに種蒔苗代との分岐。その先を下っていくと、岩木山神社へと下ることができる。
津軽岩木スカイラインと登山リフトを使えば、鳥ノ海も種蒔苗代もあっという間に着く。便利ではあるが往復でしめて3千円ほどするので、おいそれとは行けない。
マークした場所は八合目にある有料道路終点の駐車場。