【にしょうないだむ。華の湖】
オートバイアタックでも到達できず、三度目のアタックの顛末は
南八甲田の山腹にある秘境ダム。二度のアタックに失敗していたが、当ページのコメント投稿欄に寄せていただいた情報の助けもあって、三度目の正直・・といいたいところであるが、「華の湖」と名付けられた貯水池まであとわずかというところで、意外な、というか、定番の伏兵が現れて・・。
オートバイでのアタック
ダムへのアプローチ路は国道から分岐後、すぐに未舗装になり離合困難な狭さ。初回はハイエースだったので早々に退散、二度目は小型オートバイクのモンキーを投入。
アプローチ路入口は、国営・浅瀬石川ダムの虹の湖の右岸を走る国道102にあり、ここまでは快適なドライブルート。
分岐は虹の湖のワンドに沿って沢伝いに駆け上がる未舗装林道。
入口には「二庄内入口」の看板が立ち、ここから少しだけ舗装されている。
「この先、通り抜けできません」の看板も気にしなかった。
ダムであれば管理者が行き来しているはずなので、このようなケースでもたいがい池までは行けるものだ。
虹の湖、華の湖、そして藤の湖
百名山・八甲田山を水源とする三つのダムの貯水池には、「●の湖」という統一性のあるネーミングがなされている。
虹の湖の浅瀬石川ダムと、華の湖の二庄内ダムは国営。前者は国交省、後者は農水省。
もうひとつの藤の湖は地図にないはずだ。今はなき消失湖(ロストレイク)なのである。
ナビで検索したルートは、沢伝いにまっすぐ二庄内ダムをめざしている。地図データが古かったのか、そのルートの中ほどに藤の湖が表示されていた。
二庄内ダムの完成によって不要となり、廃ダムとなった農業用の大穴ダムである。
林道分岐と廃集落
ダムまで直線距離で1kmというところまで来て、分岐路が現れた。
左は10軒ほど棟が肩を寄せ合う廃集落、右はどうやらダムの方へ続いているようだ。
右を進むが、両脇の草でひどく狭まった道幅いっぱいに水たまりがある。ぬかるんでいて足を取られそうになりながら、こんな道があれほど立派な貯水池のアプローチ路のはずがないという疑念も強まってくる。
ほどなく道は、崩れた沢でぶっつり途絶えた。現役の貯水池なら管理道が修復されないはずはないのに、なぜ?
残る選択肢はさっきの分岐。
廃村で恐怖体験
これが二庄内の集落? 地名は「要目」となっている。
家並びが整然とし、どこか不自然さを感じる。昔から住んでいた人たちが代々つないできた生活感ではなく、何かの目的のために急ごしらえに用意され、用済みになって一斉に捨てられた感じ。
集落内の道なのに巨大水たまりで未舗装路が完全に冠水している。
一つ目の水たまりで足が浸かった。
二つ目の水たまりで、なんとタンク下まで水没。膝まで水につかりながら、かろうじて脱出。やばかった。もう少し深かったら、エンジンが水を吸って、沖浦ダムのように水没放棄・・とぼとぼ歩いて帰ることになるところだった。
ブレーキキャリパーとステップがぬるりとした泥でコーティングされていた。
何台ものクルマが同じ場所でタイヤをとられ、脱出しようと掘りまくった深みだったようだ。
あと1kmで撤退。空撮も忘れ・・
この集落跡からダムまで直線距離で1km。
携帯タイプの空撮機材も持っていたので、遠目に姿を捉えることはできたかもしれない。なのに、完全に動顛していた。心臓がバクバクしていて、早くここを去らねばの一念だった。
ほんとうに難関ダム?
農業用ながら堤高86mの壮々たる国営のロックフィルダムのアプローチ路が廃道なんてことはあり得ない。
そう、カーナビも示すように二庄内川沿いのルートが一見、アクセス路に見えるが、これは廃道になっている。
コメント欄に寄せていただいた情報の助けもあって、Googleのストリートビューでつぶさに国道沿いを確認してみると、なんのことはない・・南1.5kmの地点にある分岐に「二庄内ダム12km」の案内標識が立っているではないか。
この道は秘湯・青荷温泉へのアクセスルートでもあり、ダム下の沢沿いにストレートに上る二庄内ルートに比べかなり大まわりにはなるものの、華の湖までは全線舗装路が通じているとのことである。
やっと華の湖に三度目の正直なるか。
青荷温泉ルート入口から三度目のアタック
これが国道からアプローチ路入口の写真と位置
ふつうにダム湖を案内する看板が出ている。空撮写真付きで。
ダムサイトまであと1.6km地点で
確かに舗装路で問題なく走ることができた。
しかし・・。
入口に案内板もあるのに、延々と走ってきて、それはないでしょーー(; ;)
これが華の湖だ!
もう空撮機材さまさま。

