弁天さんのしだれ桜とともに地元に愛されてきた湧水の池。
川中島合戦ゆかりの狭い古道をのぼっていくと、高台に開けた陽あたりのいい斜面一面に、とりどりの品種の桜が植えられていた。そのまんなかに、ひとり異彩を放つしだれ桜の古木が立っていて、足もとには庭池のような小さな池に水神の石祠がまつられている。
この弁天池の水源は湧水ということで、護岸は土を突き固めただけの素朴なもの。円形の池では鯉と金魚が泳いでいた。
まだ満開ではなかったせいか、未舗装の駐車場に停まっているクルマの多くは地元ナンバー。池の中に小さな島があり水神が祀られていることもあり、桜の季節でなくとも土地の人々は習慣のようにお参りをしているそうだ。
ふもとの町には、桜の名所100選にも選ばれている竜ヶ池を擁する臥龍公園もあり、近年はセットで物見遊山する観光客も増えてきた。
アプローチ路は狭隘な林道で少し分かりにくいが、地元の人が設けてくれた手作りの看板が道案内してくれるので心配ない。案内ルートは離合困難な道路事情を考慮して、上りと下りのクルマが出会わないよう配慮されているので、カーナビの指示ルートではなく看板の案内に従う方がよい。
桜の開花期は遅く、通常はゴールデンウィークごろに見ごろを迎える。
未舗装の駐車場には、協力金200円を入れるボックスが設置されているので、訪れる方にはぜひ協力をお願いしたい。
「弁天池」の名をもつ水辺。
「弁天池」という名の池は全国に少なからず存在し、そのほとんどに弁財天が祀られている。弁天様のために橋のかかった小島を設けたり、嘴のような半島を造る凝った造作をもつものが多数ある。
長く土地の信仰を集めているだけあって、見ごたえがあるのも弁天池という名をもつ池の魅力。正式な池名とは別に、愛称として弁天池と呼ばれているようなケースもある。
水辺遍路では、北海道と沖縄をのぞく全国20を越える弁天池を掲載しており、識別のために「弁天さんのしだれ桜」の弁天池を「須坂弁天池」と記載した。
弁天池といえば、東京の井の頭公園内にある弁天池(井の頭池)は、都内の大きな公園池におけるかいぼり(水抜き)の先駆けとなった池で、池底から出てきた200台の自転車が全国ニュースで流れた。
滋賀県甲賀の弁天池は、弁天様をまつった島の規模が大きいだけでなく、立派な石造りの鳥居が池に半分ほど水没して独特の景観を造りだしている。
近年、SNSなどでもっとも注目されている弁天池といえば、山口県にある別府弁天池。
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