川のない集落のどこかに、地の底へ通ずる排水口が
江原ウバーレ集落・・その魅惑的な響きは紛うことなく、カルスト地質がもたらすウバーレという陥没地形の山あいに貼り付くように軒を寄せ合う集落があった。
石灰岩地質のため山あいなのに川や沢はなく水田も営めない。そんな環境の隠れ集落に近年、散策拠点となる駐車場と公衆トイレが設けられた。
この集落のどこかに「吸い込み穴」と呼ばれる水の流出口があるという。
「山口ビューなび」の解説
以下「山口ビューなび」より抜粋。
カルスト台地では、石灰岩が雨水などに溶かされて、ドリーネと呼ばれる窪地ができます。本地域には、複数のドリーネがつながった、谷状の地形であるウバーレの中に発達した集落があります。その一つである秋吉台西台の秋芳町江原地区は、ウバーレの底から斜面にかけて家屋が密集しており、他の集落とは隔離されています。カルスト地形のため地表に川は見られず、降った雨はウバーレ内の複数の「吸い込み穴」と呼ばれる縦穴に流れていきます。このため農業は畑作中心で、水稲はほとんどありません。ここでは、カルスト地形ならではの自然現象や生活様式が他にも多く見られます。
江原ウバーレ集落全景
「吸い込み穴」を探して
拠点駐車場・トイレ・休憩所
集落集会所の敷地を利用した観光客向け設備。
軽食ありますの休憩所
集落内のため池「山郷の浴」
「山郷の浴(やまごうのえき)」という変わった名の溜め池(ため池データベースcodeナンバー354620145)が集落内にあった。私が全国で見てきた池のなかでは、ため池のことを「浴(えき)」と呼ぶ事例は初めて。
沐浴などの神事的用途にも使われていたのだろうか。


池下の水神社
池の下には民家をはさんで水神社なるものも。写真は安楽寺だが、ここから入るのだろうか。


集落を低い方、低い方へと歩く
側溝の流れをヒントに水の行く先へと下っていけば吸い込み穴に会えるのでは、という安直な発想で。
おおっ! あやしい!
この道の先が一番低いところか!?
水路が陥入
おおお・・水が吸い込まれていく・・。
そのすぐ先に、吸い込み穴か
これは怖い。しっかり金網でフタされているが、のぞきこむと寒気が。
この穴のはるか奥に、誰も知らぬ巨大地底湖があるかもしれない。



ウバーレに水がたまって池になった全国事例
南大東島(沖縄県)は島全体がドリーネ池、ウバーレ池の巣。ほか四国カルストも。
bunbun.hatenablog.com
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Googleマップ
マークした場所は観光駐車場。