水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

奄美フォレストポリスの池群(鹿児島県奄美大島)

奄美大島では唯一といえそうな山間にある湿地を伴った沼沢。残念ながら完全な天然ではなく人の手で再生されたもの

世界自然遺産「奄美」本来の自然環境に近い池をめざして

奄美フォレストポリスは世界遺産エリアの森林浴を満喫できるキャンプ場。島内の大和村が整備したオフィシャル施設で、「ふれあいゾーン」「渓流ゾーン」「水辺のゾーン」にゾーニングされている。
おもに三つの池があり、世界遺産にも認定された奄美の大自然の形態に近い池をめざして役場やボランティアが奮闘している。

維持管理はボランティアの手作業

村によると「自然の形態に近い池×飛来する多種多様な生物×人の手による環境保全活動」というサイクルでのビオトープ運営をめざしており、通常は年に数回、重機を使わずボランティアの手作業によってアメリカハマグルマやホテイアオイ、シュロガヤツリといった外来種駆除、大雨で流入した土砂撤去などを行なってきたものの、二つの池は消失の危機にあった。
園内にはメダカの池、トンボの池、水草の池といった看板が見られた。


 

クラウドファウンディングによる本格整備

危機に際し、2022年にクラウドファウンディングを活用し、重機を入れて取水口や水路の整備を行ない、池を満たす水面を取り戻すことに成功。今後は池を深くするのか護岸を高くするのか専門家の意見を取り入れながら整備方針を固めていくとのことで、どんな池に育っていくのか楽しみである。
護岸は自然石で土止めし池底には砂利を敷き詰めている。



絶滅危惧種や希少種も生息

池周辺で確認されている生物は、ミカワタヌキモ、シリケンイモリ、オットンガエル、リュウキュウハグロトンボ、アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミヤマシギ、ハブ。

マテリヤの滝にて


 

駐車場など設備



 

周辺の地形・風物

マテリヤの滝

滝壺が池状になっており宝石のようなトンボの姿も見られた。



湯湾岳

奄美大島の最高峰。一帯の豊かな自然を涵養する水源林でもある。

 

マップ

現地案内マップ

池さんぽマップ

Googleマップ