「日本一美しいダム」というなら、こちらでは？
土木遺産に認定されたコンクリートブロック張りのレアな農業用ダム。
天端全面からオーバーフローする構造は、下流側にある重要文化財の白水溜池堰堤と通ずるものがある。
白水溜池堰堤は「日本一美しいダム」という形容でも有名だが、じつのところ堤高はダムスペックを満たしていない。一方、この大谷ダムの堤高は26mもあり、天端を越流して流れ落ちる水は滝のような美しさ。取水塔もかわいらしい円筒デザインだし、こちらこそ正しい「日本一美しいダム」として認知される日が来そうな気もする。
個人的には兵庫県の千苅ダムに負けぬ美しさがあると思う。ここまで来ると、もはやどちらが美しいというより、水量、季節、気候、光など絶好のタイミングを捉えることができるかだろう。
この貯水池でもうひとつ気になるのは、水源をたどると宮崎県の祖母山西側にあるのに、池の所在地は熊本県であり、水の受益地は大分県にある。三県にまたがる壮大さ。しかし権利関係が難しそう。
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