水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

白水溜池堰堤(大分県竹田)

【はくすいためいけ / 白水溜池堰堤、白水ダム】

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貯水機能維持のための底泥浚渫工事のため、仮堰と仮説水路を設けての特殊な水抜きの方法を採用している。おかげで美しい白滝のような水流の眼福も得つつ、底の様子がよく見える。

 

日本一の美堰堤、竹田にあり。駐車場までグッドデザイン賞?

現役の農業用ため池でありながら、重力式割石コンクリート造の古色蒼然たる堰堤は、国の重要文化財に指定されている。
堤頂の横幅いっぱいに絹を敷きつめたように白い水が越流するさまは、まさに眼福。そんな妙なる容姿から「日本一美しい堰堤」との呼び声も高く、ダムファンのみならず、じわじわと人気上昇の兆しあり。農業土木遺産、水利技術遺産としての見どころもじゅうぶん。
ただ「日本一美しいダム」という拡張コピーには抵抗がある人もいるかもしれない。というのも堤高が日本のハイダム基準の15mを満たしていない。

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グッドデザイン賞受賞の駐車場

見どころをもうひとつ。この池を見学するための鴫田駐車場は、なんと2011年のグッドデザイン賞を受賞。グッドデザイン賞が大好きなので、これも楽しみのひとつだった。
しかし、素人目にはこの駐車場のどこがグッドデザイン賞なのか分からない。気づかないところにグッとするのが、本当のグッドデザイン? と思って調べてみると、「土木と建築が分野を横断し協働してデザインに取り組んだことで、両者に明確な境界のない・・」とのこと。そうかそうか、業界の中に長く横たわっていた鉄の垣根を越えたってわけですね。
アプローチ路は1.5車線。

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素人目にはどのへんがグッドデザイン賞たるゆえんなのか分からない


 

農水省のオフィシャルサイトより抜粋

日本一の美堰堤、水利機能美の粋「白水溜池堰堤(はくすいためいけえんてい)」~大分県竹田市次倉竹田市荻町柏原~

白水溜池堰堤(以下白水ダム)は、九州東部の大分県・宮崎県・熊本県の三県が県境を接する山岳地帯に位置し、一級河川大野川の大分県竹田市次倉と竹田市荻町柏原にまたがって築造されています。その集水域は熊本県高森町までさかのぼり、潤される農地は、約15km下流の竹田市と豊後大野市緒方町の丘陵部に位置しており、典型的な中山間地帯となっています。この地域は古来から水に恵まれず、水田は谷間に散在し、しかも天水と少しの湧水に頼っていたため、度重なる干害を受けていました。
このような水不足の解消を目的として、白水ダムは昭和13年に築造され、主堰堤は上流側を純コンクリート造、下流側を粗石コンクリート造とする越流式重力ダムで、堰堤の表面全体に石を張り巡らした、非常にていねいな造りで、堰堤下部が軟弱地盤だったため、この地盤を保護するために水流の力を弱める「武者返し」という技法が考案され、これによって地盤が保護されるとともに「転波」と呼ばれる美しい水流の形が生まれました。堰高141.1m、堰長87.26m、貯水量600,000m3。平成11年5月13日には、国の重要文化財に指定されました。

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Googleマップ

マークした場所は駐車場。