せきせいしょうこ。
石垣島と西表島にはさまれた20km四方の海域は学術的に石西礁湖と呼ばれる日本最大のサンゴ礁を形成している。
名は石垣島と西表島から一字ずつとったものだが、海なのに「湖」という字も付されているところに興味をもった。
今は海にしか見えないが、海面が後退すると丸い輪のような陸地に囲まれた湖が現れる、と想像してもらえればいいだろうか。国外ならそういった姿の礁湖(ラグーン)もあるが、国内ではちょっと見つからなかった。
航空写真では小浜島と竹富島の間に、丸い湖のような影が見える。この海域は1日1便しかない小浜島〜竹富島の高速船がど真ん中を突っ切る。透明絵具ではなくガッシュを思わせる海の色に目を奪われる。
礁湖の形成についてのメカニズムを推測したのは、進化論のダーウィン先生。先生が推測では礁湖形成には火山が必須だが、実際、竹富島近くには海底温泉もあり、説を裏付けている。
石西礁湖はその巨大さもさることながら、400種ものサンゴが他の海洋生物のゆりかごとなり豊かな海を織り成していたが、温暖化の影響でサンゴが死滅する白化が喫緊の問題に。海域での漁獲減は深刻なレベルだ。
マークした場所はリング状の影の中心あたり