水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

神池(兵庫県丹波)

この手の名をもつ池には、生半可な気持ちで近づかない方がいい。気合いを入れて相対するよう心がけていますが、ここ神池には物理的に近づけませんでした。
隣の尾根筋には修験の山である妙高山が横たわり、その頂近くに「神池寺」がありました。この寺は聖武天皇との縁起が伝えられており、奈良時代には存在していたということになります。神池寺と神池との直線距離は1.5kmとはいえ、あいだに尾根をはさんでいるのでちょっと不自然な気もします。現在の神池が元祖なら、神社は堰体の上、あるいは下などもっと近くに造りそうなもの。
妙高山の「神池」は別物で、池を新造したときに名前だけもらってきた可能性もあります。大池とか新池などと違って、あまり気楽につける名前でもないので、シンプルな名前ですが全国的にも意外と同名の池は少ない。新造した池に名前だけもらってきたという仮説があたっているとしたら、名称は「神池ため池」など、一歩下がって命名するのが無難なところ。
神池と名付けられている池で思い出さずにはいられないのは、静岡県の大瀬の神池と奈良県の明神池。釣りをしたら死ぬ。

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さて、そんな妄想も、現地で池の実相を拝んでみないことには裏付けも妄想精度を上げることもできません。
しかし右岸側は集落の最後の一軒があるところで行き止まり。堰体は目の前ですが、立入禁止。
左岸側の道は森を抜けて堰体へ続いているようですが、途中でゲートに阻まれました。害獣除けを兼ねているんでしょうか。まったくスキのない厳重なゲート。おまけに転回スペースもなし。延々とバックで戻ることに。
それにしても美しい堰体です。後ろの山並みもいい感じ。池を拝めないのが残念至極。妄想が妄想のままで終わってしまいました。
県民緑税を投入して周辺の森林を整備しているということですが、親水機能も合わせもたせることで緑税への理解が進むようにしてくれたらうれしいんですが。