水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

新池(香川県まんのう)

しんいけ。満濃新池。

日本最大・最古の溜め池である満濃池の隣にある中規模の池。地元の人は「満濃新池」と呼んでいる。
全国に出荷される四国ブランドのへらぶなが育つ満濃池が養魚池として釣り禁止であることから、水路でつながるこの池が事実上のまんのうべらの公認釣り場ということになる。
噂は遠く関東にも及び、親戚の関係で四国に遠征した際、この池のほとりに1週間テントを張って竿を出したおじさんが「まさに至福のときだった」と言っているのを聞いて、ぜひ行ってみたいと思っていた池である。
時間が2時間程度しかなかったので、まあ大物は来ないだろうと関東冬仕様の0.4ハリスで16尺を出していると、地元のおじさんに、ちょっときついかなあ、とおしえられた。
この池では40センチ前後は小物、本命は50前後である。
実際、彼らの仕掛けに驚愕した。ハリスは1号、道糸2号。
駐車スペース横のポイントでは釣り台の設置に工夫が必要だが、3座ほど。ここが新池でいちばん深いポイントだそうで、16尺で底は竿いっぱい。ただ、地元は18尺以下は出さない。21尺以上がよいという。
釣り上げられた最大のへらぶなは53センチで、同サイズは複数上がっているようだ。60センチ近い怪物も目撃談が熱い。


一年に一度の増水期に、新池と満濃池はつながる。このとき、満濃池で育ったへらぶなが新池に入ってくる。しかし、水路は深さ数センチ程度のため、へらぶなは体を横にして入ってくる。このため、この関門を抜けられる魚は43センチ程度がせいぜいで、それ以上大きなへらぶなは、「よう入ってこん」とのこと。
へらぶなの他、ブラックバス、ブルーギルもいる。



写真中央左手の松の木の下も地元が入る名ポイント。


40センチ前後がふつうのサイズ。地元の人は小物と呼ぶ


<周辺観光>
国営まんのう公園
また、この一帯は讃岐人曰く、讃岐でもっともうどんが美味いエリアだそうだ。
ため池が多い場所は昔から小麦を作っていたエリアとのことで、まさに満濃池を筆頭に溜め池がきら星のごとく点在するこの場所は讃岐の中でもうどんの聖地なのかもしれない。