大型ブラックバスが大半を占める生態系。
小さい池なのに40センチオーバーのブラックバスが80尾も捕獲され東愛知新聞の記事になった。
興味深いことに、捕獲されたブラックバス120尾のうち40センチ級が全体の3分の2を占めており、在来魚およびブルーギルよりも総量が多い。宮前池は大きな流入河川および流出河川がないほぼ独立した閉鎖水域。このような環境下では大型で強いブラックバスが共食いも含めて他を食い尽くして生き残ったのではないかという推論がなされていた。一般的な生態系においては、頂点に近づくほど個体数が減るのだが、宮前池の大型ブラックバスの事例は究極の様相である。
駐車場、トイレがあるが、現在は釣り禁止。
40センチ級のブラックバスがなんと80匹も―。
(東愛知新聞 2011/12/16)
豊橋市は15日、同市岩崎町の農業用ため池「宮前池」(池面積8000平方メートル)で、池の管理を目的に水抜き作業を行い、併せて特定外来魚の駆除も行った。同市では4年前から、毎年数カ所で水抜き+駆除を行っているが、これほど大きなバスが多数確認されたのは初めてという。
(高石昌良)午前9時すぎから水抜き作業に取りかかり、同3時すぎに抜き終えた。本来の目的は施設の維持管理だが、市は環境保全の観点から特定外来生物法に指定されている魚類、は虫類の捕獲も行った。
農地整備課によると、捕獲したのは指定外来魚のブラックバス120匹(90キロ)、ブルーギル数百匹(40キロ)と、要注意外来生物のミシシッピアカミミガメ。ブラックバスとブルーギルは焼却処分した。
同市では4年前から、こうした水抜き作業に伴う指定外来魚の駆除を行っているが、40センチ級のブラックバスが全体の3分の2を占め、さらに80匹も見つかったのは初めてという。
担当者は「フナなどの在来種はあわせて100匹ほどしか確認できなかった。おそらくブラックバスは、フナやコイ、エビなどの在来種をほとんど食い尽くした挙げ句、仲間同士の共食い状態に入り、強いバスだけが残ったのではないか」とみている。
豊橋市は11月にも近くの長尾池(池面積8800平方メートル)で捕獲作業を行っており、そのときは20センチ以下のブラックバスを中心に約1500匹を確認している。
この2つを比較し、担当者は「宮前池は、ブラックバスが生態系の頂点に立ったときの究極の姿を示しているのではないか」と推測する。
担当者によると、同池は独立した池で、池の構造からこれらの魚が河川から流入したことは考えられない。何者かが無断で放ったものとみている。
宮前池には「釣り禁止」の看板が立っているものの、釣り人は跡を絶たない。担当者は「定期的な水抜き作業の際、釣り人の残したルアーや釣り糸が作業の妨げになる。生態系の保全も含めて、釣りはやめてほしい」と呼びかけている。
駐車場とトイレ