【みずもとこあいだめ / 外溜】
「水郷」と呼べる規模をもった都内随一の水辺空間
入口に立っている「釣仙郷」の看板に誘われて足を踏み入れると、ふっと木々の緑に濾過された水の匂いがした。
ここ水元公園は、江戸川と中川にはさまれた旧河道(三日月湖)と周辺緑地からなる広大な水辺空間をもつ都立公園。「水郷」と呼べる規模をもった都内唯一の水辺公園でもある。
公園は長さ3.5kmの逆S字形の小合溜を中心に、釣り池、かわせみ池など複数の池がある。また小合溜の対岸側は一部、埼玉県のみさと公園の構成要素にもなっている。
東京の池としては唯一「日本の重要湿地500」に選定
環境省の「「日本の重要湿地500」」に東京都内の池としては唯一、選ばれた。以下が選定理由。
都市部にある水域であり,貴重な淡水魚類の潜在的な生息地.かつては,希少な在来タナゴ類などが生息していた.
歴史
小合村の埋め立て農地を潤す溜め池として改造
古利根川とその河川敷が江戸時代の河川改修と埋め立てによって三日月湖と耕作地に生まれ変わった。三日月湖は溜め池として活用されていたようだ。
小合溜という名は小合村という村名が由来。
鯉、鮒の増殖を行う水産試験場だった時代も
歴史をたどると、戦後の食糧難を打開すべくタンパク源として注目された鯉、鮒の増殖を行う水産試験場だった時代もある。水産試験場という歴史資産と、水郷がもたらす豊かな動植物を含めた自然遺産とを維持・保存するコンセプトのもと、都の事業として公園化された。
公園の中心的存在の「小合溜」
3.5kmにわたって蛇行する池をゾーニング
小合溜を中心に、ごんぱち池、オニバス池、水生植物園、ミジンコ池など複数の池が、貴重水生植物保護ゾーン、水生植物観賞ゾーン、現況保存ゾーン、水辺環境ふれあいゾーンといったテーマに沿って配置され、それらをゆるやかに結ぶ遊歩道はメタセコイヤの森など豊かな植生に彩られている。
かつては水草も生えないほど水質が悪化し、魚も棲めない環境だったが、水質浄化の努力が実り、今では緑豊かな水辺となった。岸辺を歩いていると、ここが都内であることを忘れるほど。
水元涼亭
池を見ながら蕎麦などを食べられる。
競技用カヤック
親水デッキ
エントランス付近の売店
ドッグラン
登録制。
レンタサイクル
キャンプ禁止の看板
キャンプ場以外の園内ではキャンプ行為禁止。
キャンプ場
予約制。
バーベキュー場
予約制。
遊具広場
釣り仙郷として
自然な風合いの岸と近い水面が素晴らしい
「釣仙郷」を掲げるだけあって、水面に近い岸辺は緑に覆われた自然護岸。どこからでも竿を出せる。ただしリール釣りは禁止。
へらぶなと鯉釣りが中心になるが、魚影は濃いとはいえず、釣り目的の人は外溜の方に参集する。外溜については別項を参照されたい。
タナゴは園内に流れる水路を狙う。
リール釣り禁止の看板
水元公園にある他の池
せせらぎ広場の池
けっこう広いジャブジャブ池になっている。
ごんぱち池
絶滅危惧種アサザが都内で唯一自生。初夏の早朝にはハスの花が鑑賞できる。(2014年撮影)
駐車場
大型の有料駐車場。
案内板
マップ
池さんぽマップ
Googleマップ
マークした場所が駐車場。