水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

西ノ谷池(静岡県浜北)

にしのやいけ。西の谷雨水貯留池。
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おみごと! というしかない好環境な野釣り場。

海釣りや陸水域でのルアーフィッシングだけでなく、野池でのへらぶな釣りがさかんな静岡県内でも最高レベルの環境と放流量を誇る。周囲750mクラスとなかなかの規模がありながら、堰体とインレットの二ヶ所に駐車場があり、湖周を取り囲むように据えられた釣り桟橋や釣り台にもアプローチしやすい。また、インレット側には公設の階段状護岸もある。釣り台の多くは手入れの状態もよく、張り出しの釣り台にはていねいに木製の階段まで据えられており感服。地元の釣り師たちの愛情が伝わってくる。多くの人が訪れ、時間を過ごす池はいつ来ても表情がいい。
惜しむらくは、新しく開通した第二東名高速道路の橋脚が池のインレット側に覆いかぶさるようなかっこうになり、素朴な景観が、うわっという感じに一変。
ところがマイナスばかりではなく、高速インターからの抜群のアクセス性はもちろん、陽射しの強い夏場などは涼しい日陰を提供してくれるというメリットもある。
世界企業をいくつも輩出した遠州人の気概であろうか。ここにとどまらず静岡の好環境な野釣り場はほとんどが無料であるが、いずれもたいへんな労力とお金がかかっている。マナーはもちろん、敬意をもってたいせつに使いたい。

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2012年3月の西ノ谷池


一帯はまだまだ農地も多いが、高速道路開通もあって利便性が高まったことから宅地化が進んでおり、「雨水貯留池」という調整池と従来の農業用ため池の機能をあわせもたせたハイブリッド池である。
2013年10月に調査時は、どういうわけか釣り人が極端に少なく、堰堤側の釣り台もなくなっていた。
2014年2月の探訪時は釣り人ゼロ。冬とはいえ、西ノ谷池で釣り人がいないのはめずらしい。
2018年3月末はちょうど桜が咲いていた。

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インレット側の釣り台は親切にも一基ごとに階段がつけられていた


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親水護岸。ちょうど高速の日陰になっている。


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堰体側(左)とインレット(右)の釣り台


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至れり尽くせりの環境では飽き足らないのか、あえてこんなワイルドな野釣りスタイルをとる人も(2012年)


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堰体側の駐車場(左)とインレット側駐車場(右)


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西ノ谷池のスペック看板


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堰体と堰体下の景観


マークした場所が駐車場