名水の湧く地獄と、青い鯉。
南足柄は豊富で良質な湧き水があり、この水を利用する大きな工場が集まっている。
この清左衛門地獄池という不思議な名の池もまた湧水による水源池であり、池端に立つ「第二水源地」の看板には「富士フイルム」の署名。同社の歴史をひもとくと、1953年にこの池の水利権を取得した上で第三フィルム工場を増設している。同社では「清左衛門地獄池」という池名は使わず、「弁財寺池」としている。
それにしても一度聞いたら耳に残る奇妙な池名。
良水を求め馬に乗ってこの地にやって来た清左衛門という人が、馬もろとも穴に落ち込み、以後、ここから名水が湧いたといった伝説も残る。それにしても名水の湧く地獄とは。
池には真ん中に島があり、鳥居と小さな社殿が立ち、絨毯のように底を覆う苔の上を鯉とモツゴらしき小魚が泳いでいた。上の写真に見えるように、池の奥に円形のコンクリート枠が沈められているが、似た工作物を柿田川湧水群でも目にした。おそらく、ここが水が湧き出しているポイントではないかと思う。それにしても、ここの鯉はなぜか青みがかっている個体が多い。地獄の水のなせるわざだろうか。
平成の名水百選に選定。釣り禁止。
初めて行ったのは2006年10月。今回、ほぼ10年ぶりの再訪となった。
青みがかった鯉。
案内板。
以下は2006年10月撮影。