【沼の池】
希望湖だけど本当の名は「沼の池」。湖、沼、池の全部入り
標高850mのシラカバやブナの原生林に囲まれた周囲約3km、最深部7mのクリアーウォーターの高原レイク。と、言いたいところだが、本当の名は「沼の池」。もともと天然の沼地だったところに堰を設け、溜め池に改造したが、のちにレジャー用に「湖」の愛称を与えた、といったところ。
また、長野県の内水面漁業規則の特例として、閉鎖水域が確保されているとしてブラックバス釣りが公認されている。
東山魁夷の「静映」のモチーフに
東山魁夷の描いた水辺としては、同県内の溜め池である御射鹿池(みしゃかいけ)をモデルにした「緑響く」が有名だが、ここ希望湖も「静映」という日本画に昇華。
下の写真のアングルはまさに・・?
高原レジャーレイクの魅力大
斑尾高原観光協会が管理を行っており、釣りには遊漁料 600円が必要で、冬期は禁漁となる。スマホとペイペイで決済できるハイテク釣り券もあった。
対象魚のメインとなるブラックバスはスモール3割、ラージ7割。フナ、コイ、オイカワも。
貸ボート、貸竿あり。エサ釣り専用の小池も二つ付随。
夜間の釣り禁止。エサ釣り禁止。
釣りがしやすい湖岸路
右岸側の一部は山になって周回道が湖面から離れるが、それ以外は水面も近く刈り払いも行き届いており、ほぼ全周にわたって竿が出しやすい。休憩用のベンチもあり、散策も楽しい。
随所にキャストポイント
野釣り感がたまらないキャスティングポイントが随所に。
魚影
大小の魚影があちこちで確認できた。
目の前でブラックバスを釣り上げる人もいた。
池の奥側ではハタキのような豪快な水音を立てる巨鯉の姿も。
ペット、キャンプは禁止。妊婦狙いもだめ
ペットを連れての散策はできない。キャンプも禁止。
スポーニング期間は卵床を守っている親魚を狙うのも禁止、と、大人なルールも。
ため池としての構造
取水設備
かなり変則的な取水設備だ。見た目からして変わっているが、堰体から離れた右岸にある。後ろは山なので地下導水管以外に水を送る水路は考えられない。
堰体
主堰堤と副堰堤があるようだ。
弁天島
堰体前に弁天島という構成は、日本一のため池と言われる満濃池(香川県)と共通。
島には飛び石で渡ることができる。島の石碑には江戸時代の年号が記されていた。
中堤
池の中にまっすぐのびる幅2mほどの土堤は、もともとは池を二分していたのだろうか。
現在は釣り人にとってかっこうの足がかりとなっている。
流れ込み
右岸側に山斜面が迫っており、流れ込みが見られるが、明瞭な流入河川は見あたらない。
ちょっと驚きの池伝説
現地の案内板に、さりげなくもスゴい池伝説が!
上杉謙信の命を救ったコク右衛門さん。「何なりと希望(のぞみ)を」と謙信に言われて、この池をもらったという。
池は謙信の越後領にあるのに、その水は信州側にあるコク右衛門さんの村に流したという。
池の愛称「希望湖」にはそんな深い意味がこめられていたのか!
さらに、池の取水設備が信州とを隔てる山側という、ちょっと変な場所にあったことも納得!!
これがふつうの溜め池だったら、越後側に河川となって流れ下っていたはず。それならブラックバスを閉じ込めておけないので内水面規定外となり外来魚は駆除するしかない。つまり、希望湖でブラックバス釣りができるのも、コク右衛門さんのおかげというわけなのだ。
現在は長野県に属すものの一部は新潟県
信越トレイルでめぐる池群は、信州(長野)と越後(新潟)の国境をなす稜線ライン付近にあるので、池自体が県境を取り込むようなケースがあってもおかしくないのかもしれないが、希望湖の湖面を通る県境はちょっと変わっている。
伝説では越後領ということで、池の使用権は信州側に与えられたとなっているが、現在の池はほぼ長野県側に組み入れられている。これは利水権が長野側にあることと実際の県境とを明瞭に一致させたのだと考えられる。
ただ、この池の不思議な構造である副堤から中堤にかけてのワンドの一部が新潟県側に属している。
流出河川は長野側と新潟側にそれぞれ?
上のGoogleマップ上では長野県側とは反対方向の新潟県側に抜けている流出河川も見える。
ただ吐き出し口は長野県にある。
何という不思議な構造だろう。この池について、もっと勉強しなければ。
秋の希望湖(2013年)
空撮(2013年)
この当時の機材は初代ファントムに、二代目GOPROで、飛行時間は5分程度。撮影した画像は着陸するまで確認できず、経験と勘が頼りだった。
トレッキング
信越トレイル
より広域の信越トレイルも設定された。
駐車場と案内板
池さんぽマップ
2021年8月、ver1.2(クリスタベース)をもとに、希望湖周辺を大幅加筆。ver1.3。
Googleマップ
マークした場所に駐車場