渥美半島を支配した近世城郭である田原城を防備する堀群には、おのおの「池」として名前が与えられている。城池では「外濠」「内堀」みたいな名で済まされてしまっていることが多いだけに、池好きにとってはこれだけでも池へのリスペクトや愛着が感じられて、うれしくなる。
案内板で確認できるだけで、権六池、蓮池、袖池、枡池の名が見られるが(下写真)、現存するのは袖池と枡池だけで、権六池、蓮池は埋め立てられて駐車場になっている。
かつては入り江に囲まれた海城だったので、これらの池ももともとは海の一部だったのだろう。
ほぼ保存目的の池の状態ではあるが、それでも往年の姿を思い出すよすがにはなる。権六池や蓮池のように駐車場になってしまうと、五十年後、百年後、名前さえも忘れ去られてしまうことにならないか心配になる。
駐車場、トイレ、博物館あり。
マークした場所は駐車場。