水辺遍路

実踏・日本の湖沼 9,200湖

初盛ダム(新潟県佐渡)

新保川第1砂防ダム。新保川砂防堰堤。

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ダム堰体とその上の山頂に見える巨大レーダー施設。

佐渡島に現存する水没ダムの可能性。

大佐渡・金北山の頂上と隣の妙見山の頂に、場違いなアート作品のような白い巨大構造物が見える。本土防衛を担って日本海から外を監視する自衛隊のレーダー設備だ。
佐渡の市街地から大佐渡スカイラインに入り高度を上げていくと、このレーダー施設がどんどん近くなってくる。
道沿いの新保川ダムを過ぎたあたりで二股分岐があり案内板が立っている。大佐渡スカイラインは左、右は金北山の登山口と記されている。それと、登山口に至るまでの林道上に小さく「初盛ダム」とある。

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大佐渡スカイラインとの分岐と案内板。


ここからの道は未舗装。分岐に登山者用の駐車スペースがあるので、ここから小型オートバイに乗り換えて進む。ダートを1.5kmほど進むと、初盛ダムの堰体横に着いた。
金北山と妙見山を湖面に映し、爽快なことこの上ない。
砂防ダムタイプの堰体だが高さは28mもある。山側の藪になかば埋もれて「新保川第1砂防ダム」の石碑があった。どういうことだろう。初盛ダムの名はどこにもない。とりあえず、築造したのは新潟県。

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堰体天端は立入禁止だが管理用の柵がつく。柵は途中で直角に折れて橋となり、コンクリート製の登楼とを結んでいる。堰体下から見上げると、天端の柵が途中で切れて無責任きわまりない感じがするのは、このためである。

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それにしてもこの登楼は取水設備であろうか。砂防ダムと明記されている以上、貯水機能をもつからといっても砂防ダムは砂防ダム。これは大人の縄張りの問題だから、いたしかたないとして、目を奪われたのは水面下に目をおろしたとき。

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堰体の内側に、何かが長〜いものが水没している・・。


これはもしや水没ダム?
堰体の高欄らしき赤い鉄パイプのようなものも見える。
道の山側をふり返り、よく目をこらすと、あった。ほとんどラピュタ状態のもうひとつの石碑。
昭和30年竣工の「新保川砂防堰堤」と記されている。新保川第一砂防ダムの方は平成3年の竣工だから、明らかに別物。位置的にも水没している構造物は「新保川砂防堰堤」と見てよさそうだ。

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ほとんど草に没した、もうひとつの石碑。

新潟県の資料をあたってみると、昭和29〜30年ごろに下流側に丸壺堰堤なるものが竣工している。これは新保川ダムの前身ということだから、あるいは幻の丸壺堰堤は新保川ダム湖のどこかに沈んでいるという可能性もあるのかもしれない。
また、新保川ダムの嵩上げ工事の際に、上水道用水源強化の別案として、ため池増設案、河道外貯留案なども検討されており、市街地向けの水供給がじゅうぶんではなかったことを考えると、砂防堰堤に貯水機能を加えてもおかしくはない。
ただ新潟県が開示している資料で、新保川ダムについては豊富なのに初盛ダムについては触れられてもいないのが不思議だった。いずれのダムも同じ新潟県の事業のはずだが、これも大人の事情?

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