水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

鹿ノ子ダム(北海道置戸)

【おけと湖 / かのこだむ】

鹿ノ子ダムで鹿に当たる。

オホーツク海に注ぐ河川ダムとしては唯一という国交省管理の多目的ダムということだが、さすが国管理ダムだけあってレジャー要素もしっかりとあわせもっている。
堰体の天端は公道となっており、ダム下の右岸側の道道からダム湖左岸側の湖岸道をつないでいる。
おとけ湖は比較的なだらかな地形に立地することもあり、湖畔には草地も多く湖岸を釣り歩きすることもできる。訪れたときはウェーダーで立ち込みするニジマス狙いのルアーマンが見られた。
貸しボートもあるようであるが、持ち込みボートは禁止と看板に記されていた。

親水護岸は釣りもしやすい

朝靄の中から陽光が差し込むにつれて、ゆっくりと湖面が姿を見せる。霧が晴れるのを待つあいだ、手持ちのルアーで数キャストした静かな時間は忘れがたいものとなった。
もうひとつ忘れがたい出来事が。
鹿ノ子ダムへと向かう早朝の暗い道は、10km以上も一台もすれ違わないような状態で、ダムアプローチ路に分岐してからは路面が少し悪かったこともあり、獣の飛び出しに注意して速度を控えめにしていたが、ダムの手前数キロのところで、ちょっと気を抜いた瞬間、道路脇から跳び出してきた大型動物と接触。
さいわい、はめ込み式の樹脂製フォグランプが脱落しただけで割れたところなどなく済んだ。位置的に、向こうも後足の爪先が当たっただけでケガはなかったと思う。フォグランプは押し込んだらもとに戻った。ボルト止めだったら割れていただろう。業務用車両はよくできているとつくづく感心したが、人生で初めて大きな生き物とぶつかった場所が、鹿ノ子ダムという名前だっただけに忘れ得ぬものとなった。

はずれた樹脂とラバーのはめ込み式フォグランプ。




おとけ湖のインレット側には広い草地が広がり、駐車場、親水設備や釣り桟橋のようなものまで航空写真で確認できたものの、訪れた時はボートのりばより先の道が通行止めとなっていて入れなかった。
北海道にはなかなか行けないが、ぜひ再訪してみたい水辺である。


おとけ湖の夜明け


ボートのりば周辺


案内板


マークした場所はボートのりば。