じょうざんこ。豊平峡ダム。
そびえる懸崖に目もくらむアーチの対照美。
都市部からクルマで一時間ほどで行ける手軽さで札幌市民にはお馴染みともいえる観光スポットであり紅葉名所。紅葉は9月後半からと全国でもっとも早く秋のたよりが聞こえる場所のひとつでもある。
ダム下の渓流は豊平峡と呼ばれ温泉地でもあるが、国道をはさんで豊平峡と相対する位置に定山渓がある。
ダム湖100選にも選ばれている豊平峡ダムの貯水池名は定山湖であるのに対し、定山渓ダムの貯水池名はさっぽろ湖なので、少々まぎらわしい。
ダム本来の目的ではないところの観光的な成功という意味では、富山県の黒部ダムをほうふつさせる。ともにマイカーでは行けない点、観光放流があること、巨大アーチダムであることなど共通点がみられる。
有料シャトルバスと無料リフトカー。
豊平峡ダムは垂直の懸崖に貼り付くように据えられた多目的のアーチダム。中国の仙境を思わせるような岩壁とアーチの対照は圧巻で、シーズン中は観光放流も行われている。
マイカー駐車場からダムサイトまでのおよそ2kmのトンネル区間は一般車通行止め。シャトルバスとして昔から電気自動車が運行されてきた。現在はハイブリッドバス。片道350円。
バスを使わず徒歩なら30分ほどでダムサイトまで無料で行ける。
シャトルバス終点から、ダムカレーを供する展望レストランやダム展望所へは無料のリフトカーが運行されている。小さな箱のようなかわいらしいケーブルカーだが運転手さんもちゃんといて、上の駅に到着するまでのわずかな時間に耳を楽しませてくれる。なんでもケーブルカーの軌道の勾配はスキージャンプ台と同じということである。
無料ケーブルカーのある水辺といえば東京北区の飛鳥山公園が思い出されるが、エアコンもついている立派な車両は無人運転。東京らしいといえば東京らしい。
ダムサイトには管理所に資料館もあるが公開は平日のみ。
アーチダムの堰体上はそびえる懸崖を見上げながら歩くこともできる。
マークした場所はマイカー駐車場。
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