水辺遍路

訪れた全国1万1,700の池やダムを独自の視点で紹介

兼六園「沈砂池」と辰巳用水(石川県金沢)

2026年1月撮影

兼六園に入る水を浄化。夏にはホタルが舞う

金沢の名勝庭園である兼六園には、日本三大用水の「辰巳用水」の水が引き込まれている・・、というより、辰巳用水そのものが庭園要素の曲水として活用されつつ、園内の池を満たし、滝や噴水となって来園者の目を楽しませたのち、金沢城へと逆サイフォンで送水されている。
兼六園の入口のひとつである小立野口は、ちょうど辰巳用水が流れ込んでくる流入口にあたり、まずはこの池に導かれている。
流入する水から砂や泥などを除去する沈砂池の役割を担っている。
しかしただの沈砂池にあらず。なんと夏にはホタルが舞うという。

水辺遍路謹製マップ(ver.1.0)2019

辰巳用水を活用した「曲水」

兼六園では池だけでなく水路にも注目したい。
美しすぎる用水のたたずまいは、さすが加賀百万石の首都を潤してきた豊かさを体現している。水は11kmも離れた犀川上流から4kmのトンネルを含む用水路として引かれていると聞けばさらに驚く。
「100の診療所よりも1本の用水路を」が信条だった中村医師が生涯、アフガンで開削に携わった用水路は27km。その用水は、なんと現地の65万人もの暮らしを支えているそうだ。日本では何十万キロにも及ぶ用水路が、ほとんど誰にも意識されずに草に埋もれながら池と田畑や町を結んでいる。



 

池の設備

枡状の構造物

この池では水面下に沈む枡形のコンクリート構造物が目を引く。池の規模に対してひときわ大きく、また水没しているのが常態のようだ。
この池の水が園内の用水路を経て主役格の霞ヶ池、瓢池へと水が流れ下っていくことと、一見マディーな水質をあわせ考えると、水没コンクリート升は、11km先から引っぱってきた辰巳用水の濁り成分をこの池で沈澱させ、上澄みのきれいな水を園内へと送り出す役割を担っているのだろう。


流入口

水門とゴミ除去用の鋼製スクリーンが設けられている。




 

辰巳用水

園内

曲水


雁行橋


鶺鴒島(せきれいじま)


園外の開渠水路(小立野口)

下の写真は兼六園の小立野口の外側。道路に埋め込まれたグレーチングの下が辰巳用水。交差点の下をくぐった先は武家屋敷沿いの開渠となる。(2026年撮影)



園外の伏せ越し(石川橋)

現在は石川橋が架かっている下の道路は江戸時代は「百間堀」という広いお堀だった。この堀をまたぐ逆サイフォンによって高台にある金沢城の二の丸まで水を揚水している。
この水は各所のお堀へと導水されている。
下の写真では、お堀のあった道路から左の高台が兼六園、右が金沢城。けっこうな高低差があることが分かる。




辰巳用水に使われた石樋

石川県立歴史博物館の中庭に展示されているもの。

逆サイフォン入口(兼六園からの吐口)

霞ヶ池の一角に石製の吐き口があり、石管が埋設されているのが分かる。
ただ、2026年1月に訪れた際は、石管の一部が能登地震で崩れており修復中とのこと。



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辰巳用水の取水口

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案内板(辰巳用水)




 

マップ

現地案内マップ

兼六園の案内マップ

ニッポン湖沼図鑑マップ

2026年1月更新(部分抜粋)。

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