しょうぶだにいけ。
2500ある南あわじ野池群のひとつ。
クランク状に屈曲したコンクリートの堰体がおもしろいが、これは直下にある本庄川ダムの完成に伴い、洪水時に堰体が水没してしまうため、新たにコンクリート堰体としてかさ上げしたもの。もとは江戸時代に造られた石積み堰体だった。水没ダムならぬ、水没免れダムといえる。
広葉樹と針葉樹が混在するなだらかな山裾をひたす鶯色の池面を見ていると、千葉の房総半島南部の野池を前にしているような錯覚にとらわれる。
ダムサイトには菖蒲谷池の由来が刻まれた真っ黒な御影石の改修記念碑が立つ。池名が記された淡路島共通の青い看板のほか、同島共通の釣り禁止看板もあった。一方、「あそぶときはちゅういしましょう」と記された古いタイプの共通看板も併置されており、比較的近年に釣り禁止になったと推察される。
同名の池としては、京都府嵐山に管理釣り場化された山上湖の菖蒲谷池がある。