水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

阿蘇海(京都府宮津)

【あそかい / あそのうみ】

弁天山展望台から見た夜明けの阿蘇海(2022年10月撮影)

日本で二例しかない「湖沼に準ずる海面」とは?

古来から名勝として名高く、雪舟の国宝になった水墨画にも描かれた日本三景・天橋立(あまのはしだて)によって宮津湾(与謝海)から切り離された潟湖(せきこ・ラグーン)。
京都府が公開している漁業権に関する告知では、阿蘇海は久美浜湾と並び日本で二例しかない「湖沼に準ずる海面」として農林水産大臣から指定を受けていると記されている。

湖沼に準ずる海面として指定されているのは、国内で久美浜湾と与謝海(阿蘇海)のみです。 なお、湖沼に準ずる海面では、内水面における第五種共同漁業権者に対する増殖義務が課されないなど、内水面漁業の規定は適用されないこととなっています。
京都府「海面の漁業権の種類」

天橋立の池さんぽ(ver.1.1)2016-2022


 

雪舟が描いていた頃とはやや違う姿

「湖沼に準ずる海面」という国のお墨付きではあるが、これはあくまでも漁業権の判断基準として定義されたものであり、学問的、法的に海なのか湖なのかを定めたものではない。
海側との通水部は切戸(きれど・「九世戸」とも)といい、雪舟の絵におあるように江戸時代ごろまでは開口部が大きく、天橋立は今よりも短かったので、内水面となったのはここ二、三百年のことである。
栗田半島西部から天橋立北側まで「栗田半島天橋立シーサイド自転車道」が設定・整備されており、日本の道100選のサイクリングコースにはレンタルサイクルも。この地方独特の景観スポット「伊根の舟宿」「阿蘇の舟屋」も合わせてまわっておきたいところ。
「往路レンタルサイクル+復路渡船」のお得なチケットも販売されている。
天橋立周辺の駐車場はすべて有料。

阿蘇海

一般的なモデルコース

天橋立駅
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モノレールでビューランドへ行き「飛龍観」を。
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府道「天橋立線」をレンタルサイクルで走り抜け、伊根の舟宿を見てまわる。
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笠松公園方面に戻りケーブルカーで笠松公園に行き「昇龍観」を。
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一の宮桟橋から阿蘇海を渡船で渡り天橋立に帰還。



雪舟「天橋立図」(京都国立博物館蔵)

大江山 いく野の道の 遠ければ
     まだふみもみず 天橋立

(百人一首)






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