まるでそれは汎用ダイコン型貯水池。
今なお活発な噴火活動をくり返す桜島。鹿児島市の市街地近くの池から、今まさに目の前で黒い噴煙をもくりもくりと噴き上げるのを見てビビったものだ。まわりの薩摩人たちは慣れきった様子で目も向けないことには、さらに驚いた。
それほど鹿児島の人には身近すぎるほどの桜島だが、そういえば桜島の池って見たことがないなと思い至った。
ふつうなら古い火口湖やダムのひとつふたつはありそうなものだ。
地図と航空写真とにらめっこしていると、砂防ダムが二連になったものの直下に「桜島大根の畑」(桜島・錦江湾ジオパーク)なるものがGoogleマップにマークアップされている。
この冬にまるまる一個の桜島大根を二週間かけて完食し、大根感が根底から覆った。
その水分の多さ。抱えると、まるでなみなみと水を張った水ガメだ。表面張力でぱっつぱつ。少しでも切り込みを入れたらホトバシる。
みずみずしいのに、みずっぽくない。味はしっかりしている。身の白さも半透明じゃない。しっかり白い。
帯水性のないシラス土壌で育っているはず。どうしてこんな「白い貯水池」とでも呼びたくなるような大根が、と疑問に思ったわけである。
周囲に貯水池らしきものも見あたらず、桜島大根の畑の上にある砂防ダムなら、あるいは利水機能があるかも? と現地に赴くと、やはり現場には意外な答えが待っていた。
答えは写真のどこかにあるので、気になる方は探してみてください。
マークした場所は温泉施設の駐車場。