中ノ島では最大の溜め池
矢原池(矢原溜池)は、隠岐諸島の中ノ島では堤高、貯水量ともに最大の溜め池。
大正時代に築造された堰体は高さ20mもあり、離島の池でありながら、じつに堂々たる風格。ハイダムではあるが、2020年現在「ダム便覧」には未掲載のようだ。
中ノ島には、カエルにまつわる池伝説も
2016年、近くの中里溜池の改修工事で水抜きを行なった際、地域の住民が集まって魚の救出作戦を行なった。その際、堂々と動かぬ一匹の大ガエルが出てきて、子どもたちが欲しがったが、けっきょく近くの池に逃したという。
その池の名までは記されていなかった。
ここ矢原池では、岸の岩盤と一体化してじっと動かぬ黒いものがあった。最初、岩かと思ったが、強いオーラを感じ、何だろうと望遠レンズを向けてみると、大きな老カエルで、ぎょっとした。
このカエル、終始、どういうわけか岩のようにピクリとも動かない。これぐらいの大きなカエルになると寿命は10年から15年。もしや、あのカエルだったのでは? などと妄想が。
岩盤の岸はカエルが好む環境に思えない。水抜きで1匹だけカエルが出てきたというのも妙な話だと思っていたが、こうして目の当たりにすると・・。
中ノ島には、島流しにされた後鳥羽帝とカエルにまつわる伝説が残る池もあったりする。
設備
洪水吐
岩盤の一部をくり抜いてコンクリート製の堰が設けられていた。
記念碑
矢原池には二つの改修記念碑が立っている。自然石のように見える。洪水吐の岩盤をくり抜いた岩で造ったものだろうか。
隠岐島の島池マップ
内航路
島前の三つの島を結ぶ小型フェリーと渡船がある。料金は安く、1日の乗り放題パスでも600円。