水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

堅田内湖(滋賀県栗東)

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琵琶湖岸を衛星のように取り巻いて点在する池がある。それらは「内湖(ないこ)」と総称されている。定義がある。ざっくり言えば、琵琶湖の湖岸近くが砂州などの天然作用で本湖と切り離されつつも、河川からの流入水によって本湖と開水路で繋がっている池、ということらしい。学者によれば「内湖」なる天然湖は琵琶湖周辺にしか存在しないとされる。確かに、そういう出自の天然池は頭をひねっても思い浮かばない。
江戸時代には40余もの内湖があったというが、1940年代から農地に転用する干拓が国と県によって進められ、1971年の事業完了までに10以上の内湖が消失した。
そういう点では、琵琶湖水域はロストレイクの宝庫といえる。
内湖の多くは水深1〜2mと浅くフラットな底(平底)を持ち、琵琶湖と通水していることから、人間にとってはかっこうの船着場、魚にとっては産卵場として琵琶湖とを行き来していた。
堅田内湖は、琵琶湖大橋の道の駅から300mほどのところにあり、車載自転車などでのランガンもしやすい立地だが、岸は宅地化が進み入釣しにくいところも増えている。
大津市が平成6年に実施した魚類調査では、13種類もの魚が確認されている。ブラックバス、カムルチー、ブルーギル、ナマズといったフィッシュイーターにもめげず、琵琶湖の郷土食材でもあるホンモロコ、ニゴロブナといった在来種やメダカも生息。タナゴ類としてはタイリクバラタナゴも。またゲンゴロウブナも確認されている。
水辺に立っただけで魚の匂い(?)、気配ムンムン。いくつもの水路を連結させたような形状で、釣りゴコロが疼くが、ちょっと湖岸の宅地化が進行しすぎか。航空写真で見ても半分ぐらいは家が立っている。

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マークした場所は道の駅