水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

震生湖(神奈川県秦野)

【しんせいこ】

静寂に包まれた厳寒期の震生湖(2023年1月撮影)

関東大震災によって生まれた天然湖

震生湖は、その名が示すとおり「震災」によって「生まれた」周囲長1kmの天然湖。この堰き止め湖は、秦野の市街地を見下ろす秦野丘陵に立地し、大地の溝に嵌め込まれた水鏡のように横たわっている。
丘陵に囲まれているため、独特の没入感があり、釣り場としても絶品。湖を一周する遊歩道は起伏に富んだトレイルコースとなっており、手軽なハイキングが楽しめる。

左が2023年改訂(ver1.2)。右は2021年、2017年の震生湖

 

釣り場から家族憩いの場へ

ブラックバス、へらぶな釣り場として歴史の長い震生湖であるが、近年では釣り桟橋、ボート桟橋も撤去され、往年のような人気釣り場の様相はないが、一部の釣り台は修理更新されており、静かな釣りが楽しめる環境になった。
2021年に再訪したところ、川福売店があったところはきれいなベンチのあるオープンスペースになっており、以前よりも明るく開放的な雰囲気になった。合わせて南側にあったボート桟橋、釣り桟橋も撤去されていた。
川福売店のあったころの昭和ノスタルジーな淫靡な空気感も嫌いではなかったが、家族づれも似合う明るい池に変貌していた。

2021年撮影
2013年撮影




 

震生湖の形態と設備

メイン駐車場

自販機、トイレ、駐車場、あずまや、ベンチ、遊歩道あり。

川福売店跡の広場

川福売店があった場所は、こんな明るい広場に。

湖周ハイキング路

湖周のハイキングコースで一周できる。森林浴ムードの変化があって楽しい道だが、サンダル履きではきついところもある。

北岸

整備が進み歩きやすい。ベンチや釣り台もある。


南岸

起伏があり登山路的。橋が入口となる。

インレットのボードウォーク

これは昔はなかったような。

寺田寅彦句碑




 

震生湖の四季と移ろい

2023年1月、厳寒期の震生湖

出産のため東京から里帰りした娘に運動をさせようと、久しぶりの震生湖訪問。娘は10年ぶりぐらいだと思うが、「もっと大きい池って記憶なんだけど」とのこと。
池の英才教育を与えた娘は期待したような池好きには育たなかったが、生まれてくる孫の胎教に震生湖の空気を。



2011年、冬の震生湖


2012年の台風被害で消失した釣り台

2013年、夏の震生湖

2015年10月

へらぶな、ブラックバスともに釣り人で盛況。隣のゴルフ練習場が太陽光発電所に変わっていた。

2016年11月撮影





 

震生湖とロストレイク池久保

震生湖の近くには池久保というロストレイクがあった。震生湖によって水が堰かれたことと、池消失との関係は?


bunbun.hatenablog.com



 

アクセス

クルマでアクセスするには、県道沿いにある見晴らしのよい駐車場(未舗装)か、少し入って急坂を降りたゴルフ練習場横にある公設の無料駐車場(舗装)が利用できる。いずれも無料。
見晴らし駐車場からは山道の階段で湖のインレット側に出ることができる。
ゴルフ場横の駐車場は目の前が湖面。

マップ

池さんぽマップ


Googleマップ

マークした場所が湖畔駐車場。


 

過去記事

釣り

ブラックバス、ブルーギルも多く、へらぶなの放流もされている。コイ、カメもいる。
へらぶなは釣り桟橋、ボート(有料)がある。湖周の各所に設置されている固定釣り台および釣り台持参での釣りは無料。放流べらの他、カタのよい地べらも出る。
ブラックバスのルアー釣りは超がつくハイプレッシャーフィールドなので、難易度はきわめて高い。震生湖で安定した釣果を出せるようになれば、全国のほぼどこでも通用するだろう。岸ぎわを丹念に探る釣りになるが、へら師も多いのでトラブルのないようにしたい。


 

釣況概況

へらぶな釣りをしているとバスの動きがよく見えるものだが、へら台の下に良型が潜んでいるか、岸際ぎりぎりにスクールしている。
見ていると、だいたい1人か2人はバスを釣り上げる。一度、シャローで爆釣しているバサーを見たこともある。
へらぶなの方は新べらで数が出ることもあるが、アタリがつづくことはまれである。黒々とし体高の張った地べらはみごとであるが、冬場など1日にアタリ1回ということもある。
しかしながら2013年からは厳しい釣況がつづいている。ブラックバスの方はカタものも増えてきて、激スレながら、地元バサーはコンスタントに釣果を上げている。コメント欄も参照。