下筌ダム。しもうけだむ。
公共事業史に残る反対運動が湖名の由来。
建設省(当時)による土地収用を阻止すべく、建設予定地の急斜面に住民が小屋を建てて24時間常駐。やがて小屋は増殖し、有機的につながった要塞のような景観を呈し、蜂の巣城と呼ばれるようになった。
のちに住民との和解が成立し下筌ダムは完成したが、この紛争の記憶と教訓を後世に残すために湖名を「蜂の巣湖」とした。
下筌ダムの名を刻んだ石碑は、蜂の巣城の立て看板に記された「下筌ダム反対」の「下筌ダム」部分を転写したものだという。
九州で夏ノッコミのへら。そしてサクラマス。
ここ蜂の巣湖では魚も独特の生態をもっている。
まず陸封型のサクラマス。サクラマスは通常、降海型のヤマメを指すが、ここでは海ではなくダム湖で大きく成長するとのこと。定義からすると「陸封のサクラマス」というのはおかしいのだが、魚体はまぎれもなくサクラマスの姿。
また、ここ蜂の巣湖のへらぶなは7月下旬にノッコミを行う。通常は春の風物詩であるが、梅雨後のノッコミはめずらしく「夏ノッコミ」と呼ばれている。ほか、アユ、ワカサギ、ブラックバスのほか、鯉狙いの釣り人もいる。
釣りはいずれの魚種も遊漁料が必要。
湖畔に駐車場、売店あり。
駐車場と売店