【ふかみいけ / 深見の池 / 深見ノ池】

伊那谷最大の天然湖。奇妙な生態系で国際的に注目
かたわらの山裾には民家が立ち並び、変哲もない山里の小さな池に見えて、国際的に名を轟かせた天然湖でもある。京都大学をはじめとする陸水学の研究機関がこの池の光合成硫黄細菌層を調査し国際学会で発表。
立地としては天竜川の河岸段丘上の丘陵にとり囲まれた窪地にあり、江戸時代初期の京幾大地震で生じた地すべりで誕生したといわれ、農業用水源として地域の稲作に貢献してきた。
池は底なしで諏訪湖に通ずるとの伝説もあるように、湖底はドン深で水が湧き出ている。池に浮かべた神輿筏が花火に包まれる幻想的な深見の祇園祭が毎年7月末に開催。
池を散策するもよし、釣りをするもよしで、なんとも心に残る湖景に引き込まれる。
- 伊那谷最大の天然湖。奇妙な生態系で国際的に注目
- 南信では希少、かつ特異な天然湖
- 学術的に希少な湖沼
- 天竜川・諏訪湖系の池伝説
- 深見池の景観と設備
- 深見池の池祭り「深見の祇園祭」
- 釣り
- 駐車場と案内板
- 池名の表記について
- 道の駅と地酒
- マップ
南信では希少、かつ特異な天然湖
立地と成因
周囲700mと小ぶりな池でありながら岸から急深となり、最深部は8mに達する。そんな深場から豊富な湧水が湧き出ることから、池は底なしで諏訪湖に通じると信じられてきた。
大地震で生まれた池として、神奈川県の震生湖の事例では、沢が作った谷が地震による土砂崩れで堰き止められてできた池で、地形や湖の構造にもそういった特徴がよく出ている。対して深見の池の場合は堰き止められる谷沢が地形的に見あたらないし、そもそも天竜川の河岸段丘上という立地。
よって下図のように地すべりによる陥没部に湧水が溜まったのではと考えた。
流入量と流出量の収支が合わないのは、湖底からの豊富な湧水によるものと考えられる。
天然湖なのに正式な農業用ため池?
長野県の農業用ため池データベースには「深見の池」という名称で正式登録されており、実際、江戸時代から地域の稲作に水を供給してきた。
天然湖でありながら農業用ため池として登録されているところがおもしろいが、気になるデータベース上での溜め池の型式は、「表面遮水壁型」。データは堤高0.8m、堤長696m。
うーん、この堤長は池の周囲長そのものではないか。
貯水量確保のためにコアを持つ堤体を設けたのではなく、シンプルに天然湖の湖岸に漏水対策を施した、ということのようだ。

学術的に希少な湖沼
地形的に湖面が風でかき回されにくく、池の規模に対して深さがあること、また外部からの水の流入が少なく湖水が攪拌されにくいことなどの諸条件がそろったことで、光合成硫黄細菌が層をなして繁殖。硫化水素の分解、無毒化といった光合成活動が行われている。
特殊条件が偶然そろって世界的に稀有な存在となった湖沼としては深見池の他に、福井県の水月湖、鹿児島県甑島の貝沼などがある。


bunbun.hatenablog.com
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天竜川・諏訪湖系の池伝説
深見の池に棲む大蛇が娘に化けて現れる池伝説も残っており、天竜川・諏訪湖系の池伝説の系譜に連なる点も興味深い。
実際に諏訪湖に通水する愛知県新城の竜ヶ池では、深見の池とは逆バージョンで、大蛇(龍神)が男に化けて村の娘に懸想するという類話がある。

深見池の景観と設備
全景

流れ込み
丸い抱え石で装飾護岸された細い水路が、バックウォーター側広場の中を通っている。



吐き出し
吐口と橋




流出水路
用水路のような構造。

草地護岸とベンチ
柵がなく池と向き合うベンチ。最高の池ランチスポット。

護岸の形態
北岸側
池を一周できる遊歩道もこのあたりは草地の岸で柵などの遮蔽物もなく歩いていて気持ちいい。

南岸側


スイレン群落
2025年。

調査用漁網
2013年撮影。

2025年秋の深見池





2013年の深見池




釣り
ロクマルはフロリダバス系?
ロクマル級のオオクチバスが釣れた実績があり、バスの中でも大型化するフロリダバス系だったとの話も。週末ともなると小さな池を一周できる遊歩道は釣り人で取り囲まれる。
バサーの他にコイ師もいた。
岸辺はほとんどをアシで覆われるが、50mおきほどに釣りができるようアシが刈られているので釣りはしやすいが、ハイプレッシャーゆえにライトリグでじっくり粘る釣り方が主のようである。(2013年の記事。下の写真も)

ボイル撃ちでバスが釣れた
2013年の夏は、周辺の他の多くの池が減水している中にあって、さすがは天然湖というか、安定した水位を保っていた。
ただバスのボイルは少なく、20分に一度ほど小型のライズがあるのみ。
岸よりにベイトは多く確認できた。コイの泡づけも確認。
スピナベのボイル撃ちで白っぽいブラックバスが出た。(2013年7月)

釣りルール
左列は2025年、右列は2013年。




駐車場と案内板





池名の表記について
水辺遍路ブログでは、2013年の初出時から「深見池」と記載してきたが、2025年冬現在、Googleマップなど多くの地図や資料では「深見の池」と表記されている。また、国交省のサイトでは「深見池」、国土地理院の地図では「深見ノ池」、農業用ため池データベースでは「深見の池」となっていた。
当ブログでも多く使われている「深見の池」へとタイトルを改めた。
道の駅と地酒




マップ
ニッポン湖沼図鑑マップ

Googleマップ
マークした場所が駐車場。
