滑川の地元へらぶな釣り師が愛する溜め池。
林間を進む1.5車線の市道の中途にある。雑木林に視界を遮られ、ちょっと注意していないと通りすぎてしまう。
中沼は滑川では人気のへらぶな野釣り場であるが、2018年3月、ひさしぶりの再訪では天気のよい小春日和の休日だったにもかかわらず釣り人は誰もいなかったので少し驚いた。
この中沼は堰体の内側全長にわたって階段状護岸がしつらえられおり、このひな壇に釣り師がずらっと並ぶと壮観。
ただし堰体天端上にはフェンスも据えられており、このフェンスに開けられた大穴をくぐらねばならないので、ちょっと悪餓鬼になった気分にさせられる。けっして公設釣り場というわけではなく、あくまで野釣り場ということなのだろう。
今までは釣り師が多くて気づかなかったが、誰もいなかったこの日は、ひな壇の奥に「ダム穴」ことグローリーホールを見つけた。黒々とした口を開けていて、なかなかの迫力である。
中沼は名からすると三段のため池の真ん中ということになろうが、ぱっと見は二段の池に見える。下側の池は農地をはさんで、なぜか「上沼」。上段は金沼で、両池を隔てる中堤も釣りがしやすいフラット面のあるコンクリート護岸になっている。Googleマップでは新しく中沼の位置に「羽尾金沼」という池名が付せられた。「中沼」という名は釣り人による愛称だったのだろうか。
左岸側は奥まった雑木林、右岸側は雑木林の中をくぐって岸沿いに歩けるようになっていて、ひな壇とをつないでいる。また、この岸からは水面の上を這うように大きな枝がのびていて、ひな壇やダム穴とあいまって個性的な池の表情に一役買っている。
予定までの空き時間は一時間ほどしかなかったが、誰もいない池を歩いているうちに気分が高揚してきて、釣り台と18尺の竿を出すことにした。
階段状護岸はほんとうに釣りがしやすい。釣り場としての人気の理由は2〜4メートルと比較的水深があり、良型主体ということだったが、この日は18尺で底をとって2メートルほどだろうか。
冬場など常連でも厳しい釣りになることも多々というが、小一時間の両ダンゴではアタリどころかサワリさえもらえなかった。
沖目、というか中堤に近い方で数回、へらぶならしきもじりが見られた。左側の大枝の先で、大型のもじり。泡付けはなかったが、終盤ではウキ先と同じラインでもじりがあり期待が高まったが甘くはなかった。ふなのもじり以外には、この日、他の魚種は目にしなかった。
マークした場所が駐車スペース。