はげがわ。
心のふるさとのような小河川
四万十川以上ともいわれる清流として名高い仁淀川に海ぎわで合流する小河川で、のどかな雰囲気は子どものころ見たような郷愁を呼び起こさせる。
そんな小さな川の休日の顔は、全国各地のバスアングラーから熱い視線を送られ、本格的装備のバスボートが行き来する特別なフィールド。
初田橋周辺は階段状護岸でへらぶなの数釣りができるということだったが、2013年釣査時には、バサーの姿は多かったが、へら師は確認できず。
バスボートの本格派もいる一方で、ひとりで自転車に乗って釣りに来ている小中学生の姿もあった。
初田橋下流側、右岸の駐車スペースは広くてボートスロープや階段状護岸もあり、バサー、へら師ともに絶好の環境。
釣行レポート
2022年秋
泡づけ、モジリなし。ジャミも含めて釣果なし。
水位が低かった。
2016年秋
2016年秋に再訪。西日本らしい遅い朝まづめに、良型のブラックバスがあちこちでライズ。テンションが上がる。スピナーベイトをキャストしながら岸を歩いていると、目の前で40オーバーがうろうろしている。人を見ても逃げない彼らは、当然のようにスピナベが近づくと逃げる。そうとうなスレ具合の証左である。
しかし沖目のライズ打ちは得意パターン。いけると思ったが、ここではまったく通用せず。バイトはたった一回。しかもノセられず、反応らしきものは、これのみ。朝まづめで他に釣り人はおらず、食い気のあるバスも豊富で条件はよかったのに、噂にたがわず厳しい。
小一時間でへらぶな釣りにスイッチ。まず現れたのはモツゴ。その後、モツゴがつづく。
釣り台の下から二尾の30サイズのブラックバスが出てきてびっくりした。バスのライズもあいかわらずあちこちで頻発。これだけぞくぞくあふれてくるブラックバスはここ数年、駆除が進む東日本では見たことがない。しかし、今本命のへらぶなのもじりや泡づけは皆無。バサーは対岸に何人も見えるが、へらぶな釣り師は皆無。ほんとうに、へらはいるのかと疑念がわきはじめる。
今回使用している道具は、ハイエースに常備している簡易へらぶな釣りセットのため、河川のゆるやかな流れに対して調整に苦戦。オールマイティーなセットに組み上げたつもりではあるが、ダムや河川は想定していない。竿は15尺の振り出し15尺一本、ウキは野釣り用パイプトップの極太オンリー。エサも厳選3種だけ。針は出来合いのハリスつき、ハリス長は適当な目視の現場合わせ。底取りはせず、打ちながら考える、まさに超適当。
下記のリンクで書いているように、野戦型のへら簡易パッケージングは基本的に底取りの手間がかからず、根掛かりリスクを減らす宙釣りを想定したパッケージングなんだけれども、今回ばかりは流れがあるので、エサをアンカーにしてウキの流れを止めて得意の止水的パターンに持ち込みたいのです。
奇策? 常識はずれの方法で
振り出しの太仕掛けなので鯉が来てもまあ安心だが、極太パイプウキの絶大な浮力のせいで河川特有の流れにのってしまい、なかなか底をとれない。ただ、モツゴだか何だか分からないものの、何となくウキが魚の気配を伝えてくるので、飽きはしない。
ひたすらエサを打つ、ウキ下を調整する、エサのいじり具合を変え・・の楽しくうららかな二時間が経過したところで、ぽわーんとアイデアがわいた。ウキのトップが出るぎりぎりまでオモリをのせ、微妙なバランスでドボン釣りに近い状態にできんかいね、と土佐弁。奇策だが、これでがぜん食いアタリがとりやすくなった。
エサはだいたいいつも両ダンゴだが、前日に八里ほど西に行ったところにある住吉池で会ったへらぶな釣り師が「マッシュしか使わん」と言っているのを聞いて感銘を受けたこともあり、マッシュは持っていないけどせめてマッシュに近い両グルテンに変更。
マッシュっぽいボソタッチで始めたものの、流れだかモツゴだかですぐエサ落ちしてしまうので、思い切ってネバネバのカチカチにしてみたら・・。
のった・・。
高知では初の、へらぶな。
まったくの前兆なし。泡付け、もじりなしの、いきなりドン。さすが土佐の魚は男らしい。
次の一投でもまた。くちびるが異様に厚い、静岡県狩野川の原生マブナに似た一尾。さんざん引いたのにしっかり針が刺さっていない。それまでのあいだ、ノルのにバラしが多い謎がとけた。
次の一投では、のされそうな強烈な引き。やりとりで極太のウキが折れ、バラし。スレがかりだったが、針についてきた鱗がすごい。
呆然としていると、それまでの穏やかさが嘘のようににわかに強風が吹きはじめ、いろいろなものが流れてきて不穏な感じに。まるで熊嵐。
簡易へらセットで予備もないし、思い残すことなく納竿。ひさびさに心に熱いものを呼びおこす釣りとなった。
駐車スペース
Googleマップ
マークした場所は初田橋の駐車スペース(ボートスロープあり)