ゆかわだむ。
釣り人泣かせの県営ダムは、ダムマニア泣かせでもある。
そぎ落としたような垂直の懸崖が、なんともいえぬ迫力ある景観をつくりだし、冬は氷壁、氷柱でも知られる湯川渓谷。
ここに建設された長野県営の治水ダムが湯川ダムである。ダムの天端は道路の橋を兼ねており、ダム湖上流部には軽井沢大橋もかかっている。
それにしても何という湖岸であろう。千葉県房総半島の豊英湖(豊英ダム)の切り立った湖岸を思い出したが、あれはダム湖上流部だった。ダム湖の最下流部でこの厳しさは見たことがない。
ダム湖前後の渓はヤマメ、ウグイが釣れるが、ダム湖の入釣ポイントは皆無といってよく、転落すれば這い上がることは厳しそう。
また、ダム本体がしっかり見えるビューポイントがなく、堤長53mに対して堤高50mという屹立した重力式コンクリートダムと二門のテンダーゲートの雄姿は、発行されているダムカードに印刷されたダム正面写真で満足するしかないのである。
マークした場所が駐車スペース。