水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

猪ヶ池(福井県敦賀)

いのがいけ。

日本を揺るがす原発銀座、敦賀半島の先端近く、東西の両側を海に南北を山に囲まれ、ぽつんとたたずむ周囲1100mの神秘的な池である。地形学的にもなぜこれほど海の近くに淡水の湖沼が残ったのかは謎とされている。

伝説にもことかかない。泳ぐ、魚を捕る、木を伐る、これらの禁忌を犯し祟られて死んだ村人の民話や大蛇伝説、近年では熊の出没地として立ち入りが禁じられている。

この池の北側を通る道路を、熊鈴を鳴らしながら一人歩いていたスーツ姿の男性が印象的だった。原発の職員が昼休みに散歩していたのだろうか。