水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

似賀尾池(和歌山県橋本)

にがおいけ。恋野池。
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関西初のスモールマウスバス野池は、殲滅作戦で生態もクリアーなポンドに。

周囲1km級、「恋野池」という美しい別名をもち、磨きこまれたような水をたたえ、静かに紀ノ川を見おろしている。
2011年、関西の野池では初めてスモールマウスバスが確認され、地元のみならず全国のメディアを賑わわせたのがこの似賀尾池である。
地元では「クリア池」と呼ばれるほどの水質で、単に透明なだけではない艶のある美しい水は思わず引き込まれそうになる。長年、行きたかった池に出会えた喜びは大きい。
ここは2006年ごろからスモールがいるらしいとアングラーのあいだではひそかに噂になり、知る人ぞ知る釣り場だった。しかしアングラーとの蜜月も五年ほどで終焉する。2011年のスモールマウスバス報道で、池が流れ込む紀ノ川にスモールが繁殖しては取り返しがつかないと地元の水利組合が奮起、2012年、似賀尾池を皮切りに、通水する本田池、新池、つつじ尾池、神野池、円浄庵池も含めた6つの池すべてを完全に水抜きでスモールマウスバスを殲滅する作戦を展開した。
それから五年、下側にある本田池では日本産淡水魚の姿を見ることができたが、似賀尾池では美しい水たまりのごとく岸辺では生き物の気配は感じられなかった。あるいは水が透明すぎて、見える範囲だけで分かったような気になってしまうだけなのかもしれない。
それにしても、文句なしに美しい池である。

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恋野池の碑。
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駐車スペース。
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ダムスペックはありそうな堰体。
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堰体表面の護岸は石積みが美しい。
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外来魚に関する案内板は地元の小学生も協力して立てられたそうだ。
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