豪雪に包まれる巨大山塊の稜線に穿たれた池群
百名山・飯豊(いいで)連峰の山池のひとつ。地蔵山の山頂わきにある沼沢で、湖面標高1,475mほど。時期によっては水が枯れることもあるようだが、標柱は立っている。
「血ノ池」という名をもつ山池は全国でいくつか把握しているが、ここ飯豊山の血の池に関しては由来が分からず興味深い。飯豊山自体が霊山であることと関係はありそうだ。
飯豊連峰の山岳湖沼
飯豊山は東北では鳥海山に次ぐ高さを持ち、40km四方の大山塊は福島、新潟、山形の三県に裾を広げ、その奥座敷は豪雪をまとっている期間も長いだけに攻略は手軽とはいえず、百名山の中でも玄人好みの山といえる。百名山の著者である深田久弥は、ここ飯豊山の攻略に六泊を費やしており、登山道の整備が進んだ現在でもコースが多様にあり、地形の把握が難しい。
そんな飯豊連峰にはスケールの大きな山池こそないものの、「ギルダの池」、「文平の池」など名前のおもしろい小池がいくつかあり、山池という切り口でもなかなかマニアックである。
まずはもっとも手前にある地蔵山(1,485m)の頂上にある血の池を端緒に、時間をかけてこの山池群の全貌を鳥瞰図に落とし込んでいくことにした。
血の池へのアクセス
小白布沢登山口
一般的なルートではないが、直線距離は短かい。2024年10月、途中まで登り調査空撮。
下の写真は地蔵山。山頂のどこかに池が写っていてもおかしくないとは思うものの、姿は見えず。
御沢登山口(川入登山口)
トイレ、駐車場、山小屋があり、入山者も多い主要登山口のひとつ。
2023年、少し登って調査空撮を行なった。
川入切合登山口
駐車スペース2〜3台。三国岳方面への登山口としては一番標高が高い。
地形把握のための調査空撮を行なった。どの角度から見ても「山の塊」としかいいようがなく、地形がつかみにくい。「連峰」というより「峰群」という感じ。四方八方に支脈がのびているし、高低の強弱も少ない。