土地伝説の「羽衣べら」が。
羽竜沼に棲息するといわれる羽衣をまとったようなへらぶな。
少し話ができすぎていると思いつつも惹かれて調べていると、なんと写真が出てきた。2015年8月に撮影されたもので、地元の釣具店員が底釣りで釣り上げた際のものだった。
その個体はどちらかというとマブナに近い体型で、40センチほどだったろうか。現在、なぜか写真が見つからないので、へらぶならしい体型にアレンジして想像図を描いてみた。
ヒレはちょっと長いといったものではなく、まさに羽衣をまとったような異常な長さだった。他に、赤べら、超巨地べらが潜んでいるという土地伝説がある。釣りあげた釣具店員によると、引きは強かったという。
想像図におけるヒレの細部の形状は、宮城県の天然記念物になっている「鉄魚(てつぎょ)」を参考にした。鮒の体型に体長と同じぐらいの尾びれを持つめずらしい魚である。羽竜沼の北50kmほどのところにある若畑沼にもテツギョが生息しており、あるいは羽衣べらも天然種という可能性もあるかもしれない。
インレット側に駐車スペースはあるが、アクセス路は狭い。地元釣り師は堰体側へと林道を進むようだが、この林道は私が訪れたときは関係者以外立入禁止の看板が掲げられていた。
なだらかな針葉樹林の斜面にあって、ぐるりと広葉樹に囲まれた羽竜沼は、インレット側に湿原をもち、不思議な雰囲気の中にも安らぐものがある。ただ、熊の出没には要注意。近くの古竜沼で出没が確認されたほか、羽竜沼でも熊が泳いでいたという話もある。
アクセス路は狭い。駐車スペースあり。
インレット側駐車スペース。
西蔵王の水辺マップ。
マークした場所は駐車スペース(インレット側)。