【かどいけ / 門池公園 / 牧堰門池用水】
導水トンネルで既存用水路を補完する貯水池
池は江戸期以前からあった
沼津市の町はずれにある周囲長1700m、最大水深6mの農業用水調節池。
成立は古く江戸期以前。江戸時代には早くも牧堰用水の補助的役割を与えられていた。
大正期の関東大震災以降、流量が激減した黄瀬川への対策として、平時は420mの導水トンネルで余剰分を門池に貯水できるようになった。
以下、現地の案内板より。
牧堰門池用水
門池は、古くは自然の簡単な溜池として隣接する村々の灌漑用水に用いられていたと思われるが、江戸時代に入り正保2年(1645)旱損緩和の為、黄瀬川を鮎壺の上流約200 メートルほどの地点で堰き止めてつくった牧堰を本用水とし、門池からの水を補助用水とする牧堰門池用水が成立した。その後、愛鷹南東麓の平坦地の稲作農業に欠くことのできない灌漑用水を供給し、農民生活を支えてきたが大正12年(1923)の関東大震災以降、黄瀬川の流量が激減し、しかも大正13年以降には旱害が相ついだ為、新たに牧堰用水不足分を門池貯水池によって補充すべく、牧堰用水路から導水路420 メートルのトンネルを開さくした。これにより牧堰門池用水は、灌漑用水として従来にも増して大きな役割を果たすこととなった。(文章、写真は「牧堰門池用水沿革史」より。太字は当ブログ筆者施す)
池伝説
ドラゴンボール
夫婦の竜が、門池に落ちた美しい玉を千年かけて探すお話。
門池の池畔にある三明寺のHPがくわしい。
門池の弁天様と雨乞い神事
池の中にある弁天島で、夫婦の竜をかたどったワラの人形を使って雨乞い神事が行われた。
競技用ボート
門池ボートクラブの競技用ボートが置かれている。
野釣り場としての魅力
釣り人がいない!(2022年冬)
2022年冬に5年ぶりの再訪。通常より2mほどの大減水状態で釣り人皆無。こんな門池は初めて見た。
ヘラブナの死骸があったので魚がいなくなったわけではないようだが。
桜と富士がみごとなへらぶな釣り場(2015年)
湖周遊歩道が整備され、広場や親水護岸、水上デッキ、駐車場、トイレが整備されている。
市民の憩いの場でありながら釣りも公認されており、へらぶなの放流も行われている。寛容な静岡の県民性が色濃く感じられる水辺である。
2015年に訪れたところ、公園が北部に拡張され、駐車場も二箇所増設されていた。また、門池の竜伝説を含む新しい案内板を三つ見つけたので掲載しておく。
(2015年2月24日撮影)
へらぶなの魚影濃く、厳冬期でも浮子が動く(2014年)
2011年2月に生まれて初めてのへらぶなを釣った場所として個人的にも思い出深い。
冬場など震生湖でデコつづきのときなど、へらぶなの顔を見にこの池に行くほど、年間を通じてよく釣れる。夏場は100尾釣りも可能なぐらいだが、釣れすぎておもしろみがないという側面もあった。池の南側は3m以上の深場も多く、チョウチンや底の醍醐味を楽しめる。
池の周囲に遊歩道があり、地元の高校生やお年寄り、ベビーカーを押す若い主婦などでつねに人気だ。桜の季節はうららかそのものの、のんびりした時間が流れる。
主要道からのアクセスもよく、長竿、短竿どちらでも、どんなエサでもビジターの期待にこたえてくれる池である。ポイントも特になく、池の全周がそれぞれポイントといってよい。深さもあり、平均的には10〜13尺で底がとれる。東側はやや浅く、底釣りでは根掛かりしやすい。
お気に入りは芝生広場前。ここは手前にロープがあるので中尺以上がよい。釣り台は必携。
バスポンドとしても昔から知られてはいたが、バサーの姿は意外なほど少ない。ギルが多いのでバスもまだ生息しているとは思うが、まだ自分の目で釣れているところは見たことがない。
すごい巨鯉もときどき針がかりしてくるので注意。
年間を通じて温暖であり、晴天の日は富士山がみごとである。
(2014年4月1日撮影)
釣りポイント、設備、空撮写真
東岸
奥が通称「土管」と呼ばれる名ポイント。門池の中ではやや浅い。
通称「ひな壇」
駐車場からも近く、階段状護岸で釣り台も出しやすい通称「ひな壇」。深さもあり人気だったが、2022年にはボードウォークが設置された。
北岸の通称「蛇籠」
早朝からの釣り師が入る。
南岸の通称「芝生」
のんびりした釣りができる。ビジターにおすすめ。
ウッドデッキ
西奥部はウッドデッキがあり入釣できない。
駐車場・トイレ
駐車場・トイレ完備ながらメインの駐車場は午前9時開門。
案内板・掲示
Googleマップ
野釣りレポート
2015年2月24日
釣り人は数人程度。小春日和の穏やかな日だったが2時間でアタリなし。モジリや泡づけもまったく見られなかった。こんな門池は初めてだ。対岸に見える釣り人たちも、竿を絞っているところは見られなかった。何があったのだろう・・。
2014年4月1日
桜が満開。公園駐車場は桜ライトアップ期間は夜間も開放しているので、早朝からの入釣もしやすくなっている。
へらは岸寄りまでもじり、泡づけさかん。地元の人が底を切った方がカタがよいと言っていたので、9尺チョーチン両ダンゴで始める。1時間ほどでアタリが出始めるが、のらないので、グルテンセットにすると連発。寄りすぎを嫌い両グルにするとアタリが遠のく。2時間で8枚、いずれも尺前後の美べら。今年の門池はよさそうだ。
黒々とした地べらも健在。
2014年1月
工事で大減水。一時的に釣り禁止。
2013年10月中旬
ほぼ満水状態。ややアオコが残るも臭うほどではない。
バスはあいかわらず確認できず。ギルは多い。
へらぶなは、なかなか好調。
通称「シルバーシート」で11尺チョウチンで底がとれる。エサは両ダンゴ、グルテンともに、打ち始め数投でアタリが出る。かといって夏場のように寄りすぎてカラツン地獄に陥ることもなく、ほどほどの良い感じでアタリがつづく。カタは尺前後で引きもよい。
底をつづけると、ジャミの増加と同時にカタが落ち始めたので、マッシュで底を切り徐々にタナを上げていくとカタがもどった。
2013年5月25日
2013年の4月はウキは動くものの食い気がなく地元へら師も苦労していたが、5月末に釣査したところ、朝5時半にエサ打ちを初め、早々10分で黒々とした良型の1尾目が出た。(9尺チョウチン)
ジャミの猛攻もあり、両グルテンでタナを徐々に上げていくと、スレもなく、かっちり上あごセンターで尺前後がテンポよく上がった。
1時間足らずで時合となり、ほぼ1投1尾状態。ただしサイズは5〜7寸にダウン。
ウキが動きすぎるのと、0.5のハリスを切られたので0.6に変更し、さらにタナを1.5本まで上げ、エサを極小にしたら落ち着いた。
エサがなくなったら納竿にしようと思い、最終1投で尺べら。
7時過ぎに納竿で20枚ほど。1日やれば100尾釣りも可能であろうという好況で、例年の門池らしさが完全復活したようだ。
例年は底だと満身創痍のへらが多いが、中層は美麗なへらの割合が高かったのが印象的だった。
とにかく魚影が濃いので、寄せすぎや上ずりに気をつけて、打つ場所に変化をつけるなどの工夫で釣果を伸ばせるだろう。