水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

桜ヶ池下(高知県芸西)

さくらがいけしも。
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名前が変。情報は混乱ぎみ。現地調査はけっこうたいへん。

芸西の名実ともに魅力的な山上池であるジル蔵池を2017年に空撮した際に、山裾の中腹部に別の池が写っていた。
この一帯の谷筋は小規模な農業用ダム銀座ではあるが、これらダムに関する情報は混迷しており、正確な現地調査をしようにも、アクセス路の状態は悪く、自転車やオートバイも駆使しつつ少しずつ調査をつづけている。
まこと水清くミステリアスなダム群の誘因力は払いがたいものがある。今回はピンポイント的に三回の空撮によって地形把握を試みた。

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2017年の空撮で捉えた最上段の池。よく見ると下流側に下段の池も見える。


Googleマップの航空写真を見ると一本の川筋に三つのダムがある。
いちばん下の池に対してダム便覧や各ダムマイスターたちの情報サイトによれば「桜ヶ池下(さくらがいけしも)」あるいは「桜ヶ内池」という名が付されている。
「桜ヶ池下(さくらがいけしも)」という名称では少々、気の毒な気もするが、Googleマップに至っては池としての記載さえない。
「桜ヶ池下」というなら「桜ヶ池上」があるはずで、順当に考えれば三段の真ん中を桜ヶ池として、上と下となろうか。

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2018年の空撮では二段の堰体と満々と水をたたえた二つの貯水地を捉えたが、これは三段のうち最下段と真ん中の二つである。
桜のつく名前だけあって、満開の桜の帯が彩りを添えている。堤高20mのロックフィルダムというスペックだけは分かっているが、となると、上側に見える池こそ真ん中の桜ヶ池・・上も下もつかない桜ヶ池であろうか。いや、統一感でいうと「桜ヶ池中」?
上も下も中もはずせたとしても「桜ヶ池」の名の宿命というか、富山県の同名の池が、ため池100選にも選ばれているぐらいの有名どころなので、なかなか日なたに咲けない。
それでも誰に媚びることもなく、頑固そうな石積みの堰体で沢を堰き、洪水吐からあふれ出た水が天然の滝のように下り落ちている姿など、神々しく土佐の山桜を思わせる。
早く現地に立ち、土地の人に話を聞きたりしながら名を特定させたいものである。

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堰体のわきから滝のような流下が確認できる。
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よく見ると三段の池すべてが写っている。


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2018年現在、Googleマップに池としての記載はない。航空写真に切り替えるとマークした場所に池を確認できる。

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