おおざかいけ。
これがダム? と物議を醸した池。
大坂池は知多半島先端近くに位置し、ダムファンのバイブルである「ダム便覧」にも堤高18mのアースダムとして掲載(2021年現在)されている。
しかしダムを期待して現地に立つと、あれ? と首を傾げることだろう。実際に池を訪れたダムファンたちも少なからずそう思ったはずだ。
二車線道路が堤体の天端を通っている構造だが、そもそもの話、これは本当に堤体なのかちょっと疑問に思うぐらいに池が奥まったところにある。丘陵から連続的に続く雑木林に囲まれて、溜め池というより天然の池のような風貌で、ハイダムスペックのアースダム特有の緊張感からはほど遠い。
池の湛水面は道路よりかなり低い水位が常態化している様子がみてとれる。
また高さはせいぜい10mがいいところで、どちらかというと池の堤というよりも道路造成のための盛り土と見た方がしっくりくるぐらい。
愛知県の「ため池データベース」を見ると、愛知県田原の大坂池の項には確かに「18」という数字があった。
しかしよく見ると「18」の数字の欄は堤高ではなく貯水量だった。大坂池の堤高は7.0mとなっていた。