はたなぎだいにだむ。
日本に13基しかない中空式コンクリートダムの一基。とはいっても、ここ畑薙第二ダムのある大井川だけで三基もあり、日本一の中空コンクリ銀座である。
揚水発電の下池で、上位貯水池は畑薙第一ダム。
水色のラジアルゲート、右岸側に向かってややアーチを描く堤体は、ダムマニアの心をくすぐる。とはいっても、このダムの姿を見ることは容易ではない。
住所としては県庁所在地の静岡市となっているが、クルマで延々と山道を走らなければならない。東名高速道路を走っいて東西にいつまでも続く静岡県の大きさに、うんざりした経験のある人も多いだろう。いったいどこまで走れば静岡を抜けられるのか、と。
畑薙第二ダムに赴こうとする者は、静岡のもうひとつの側面・・東西ではなく南北の大きさを痛感することになる。
静岡インターを出てから延々と山道を北上する。次第に道は狭くなり井川ダムから先は景観にも慰められず、ただただ道を見つめ前に進む。それはもはや苦行だ。
そんなに苦労してようやくたどり着いても、畑薙第二ダムはまったくもって素っ気ない。道を走っていてだけでは、ちらとも姿を見せてくれない。すぐ上流にある畑薙第一ダムまで行ったときは、けっきょくこの第二ダムは見ず仕舞だった。
その経験をもとに二度目となる2018年は空撮機材を持ち込んだ。
トンネル手前にダムサイトへの入口があるが、まったくダムは見えない。空撮機材にゲートを越えさせて、はじめて希少な中空コンクリートダムの姿を捉えることができた。
ダム湖岸近くの県道沿いに日帰り温泉がある。地図上では完全にダム湖岸にある温泉に見えるが、現場に立ってみるとダム湖と温泉はお互いにまったく我関せずのスタンスで、温泉を訪れる人のほとんどは、すぐ横にダム湖があることを意識もしないだろう。
それもしかたない。この温泉は南アルプスの百名山が三つ集結する赤石、悪沢、聖の三峰をめざす登山者にとって、最初で最後の癒やし湯なのだから。登山者の目線はこのはるか上の高みにそそがれている。
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マークした場所は温泉の駐車場。
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