低いダムには生活に溶け込んだ美しさがある。
中央アルプスに源を発し、列島を縦断する長い旅を経て伊勢湾に注ぐ飛騨川には、JR高山本線と幹線国道41号がたえず寄り添い、中京と北陸を結ぶ交通の大流路でもあった。
この豊富な水量に恵まれた飛騨川には、至るところに堰やダムが造られ、水力発電に生かされている。川に沿う国道を走っていると、あるいはJR線の車窓から、次々と現れる発電用のダムを見ることができるだろう。
大船渡ダムも中部電力が管理する発電施設のひとつではあるが、堤高が15mに満たないためダム協会からはダム扱いされていないようである。
生活橋の橋脚を兼ねているコンクリート柱は、流体力学的な曲線美をもち、鋼鉄製のラジアルゲートをのぞかせながら10門も横並びしている。そのたたずまいは威圧的ではなく景観にしっくりと落ち着き、横長で低いダムというのもこれはこれで専門のマニアがいてもおかしくなさそうな魅力があるものだなと思った。
1.5km西に温泉つきの道の駅がある。飛騨川中流域は、温泉やキャンプ場をもったレジャー性の高い道の駅にも恵まれている。
階段状の魚道。
マークした場所は温泉のある道の駅。