水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

大源太湖(新潟県湯沢)

だいげんたこ。大源太キャニオン。大源太川第一号砂防堰堤。
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有形文化財の日本初アーチダム、東洋のマッターホルン、そして上越のグランドキャニオン?

それにしても謳い文句の豊富な水辺である。
もとは野尻ヶ池という戦国時代の陰謀・謀殺劇の舞台だったようで、湖の上下流は「大源太キャニオン」と呼ばれる断崖の渓谷になっているが、昭和14年(1939年)、湖の吐き出し口に「日本初」といわれるアーチ構造をもつ高さ18mの砂防堰堤が完成。登録有形文化財として認定されている。なお、コンクリートアーチダム全体での日本初は宮崎県の芋洗谷ダム(1930年竣工)である。
歴史的に興味深いのは長野県にある「野尻湖」との関係。舟を浮かべて酒宴をしていた戦国武将が、野尻ヶ池で謎の死を遂げていることに関して、野尻湖の方にもゆかりの島などが見られる。ただ、野尻湖は当時、「信濃尻湖」と記述されていたので、本家「野尻ヶ池」は大源太湖の方ではないかと思う。

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ハイキングだけでなく、釣り、カヤック、キャンプも。

湖は1周1.5kmで遊歩道を歩いて30〜40分と手ごろなハイキングが楽しめる。堰体側とインレット側に駐車場とトイレもあるので、ちょっと立ち寄って水辺の空気に触れるだけでもいいし、キャンプ場でテントを構えてカヤック、釣り、と本格的にアウトドア満喫というのも魅力的だ。

イワナ、ヤマメ、ニジマス、鯉、カジカなどが生息。ただし釣り券は一日2,000円以上(魚種によって異なる)と高い。
背景にそびえるのは、標高1598mで「東洋のマッターホルン」とも称される大源太山。登山口へアプローチする林道の起点にもなっているので、登山とキャンプの組み合わせもあり。
湖のインレット側には、大源太湖キャニオンキャンプ場、山荘といった施設も充実しながら、全体的にはこじんまりとした隠れ家的な雰囲気をもったレジャーレイクといえよう。

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大源太湖遊歩道は一周30〜40分の軽ハイキング。
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湖のインレット側の駐車場。トイレと売店がある。
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登録有形文化財にも指定されたアーチダム。
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堰体横の駐車場と案内板。奥に見える吊り橋はハイキング路起点。
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大源太キャニオン。
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平成30年6月29日までは堰体周囲の工事がつづく。
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マークした場所は駐車場。