よこうちいけ。
広島サミット2023の振る舞い酒を醸す蔵元の近くの溜め池
2023年の広島サミットで世界の首脳たちに振舞われたという日本酒「廣戸川」。蔵元がここ福島南部の天栄村(日本で三番目に大きな村だそう)にあると知って、酒を生みだしたコメや水を涵養した田んぼや池は、どんな景色にあるのだろうかと思いを馳せた。
近くの有名な湖沼
蔵元から7km離れたところに東日本大震災で決壊したことで有名になった藤沼湖、13kmほど山側にはレジャーレイクとして昔から有名な羽鳥湖(ダム湖100選)がある。ただ、蔵元は村の中心部にあり、その周辺にもいくつか溜め池があることが確認できた。
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松崎酒造と天栄村
松崎酒造はもともとは、ほぼすべて村内で消費される普通酒を製造する小さな蔵元だったが、蔵の跡取りであり若手杜氏として台頭した若き松崎さんのこだわりで地元福島のコメを使っていきたいという思いがあると知り、そんな酒米がいつか育つことになるかもしれない田や池を見たいという気持ちはますます募った。
蔵元から600mほどに立地する溜め池
横内池という溜め池があったので赴いたところ、学校の横にある、まったりとした雰囲気の溜め池だった。危険注意看板が立ち、黄色いテープがまるで事件現場のようで少々、居心地が悪い。
道の駅 季の里 天栄
近くの道の駅で地酒とコメのコーナーが。
自分用には「羽鳥湖」銘柄などの普通酒を、お土産に「廣戸川」を贖った。
ところで廣戸川はどこに?
湖沼名が冠せられた地酒「羽鳥湖」だが、天栄村の中に所在はするものの、じつのところ分水ラインの向こう側、つまり日本海に注ぐ水系にあり、農業用ダムとはいえ羽鳥湖の水はこの地酒のコメや水とは別水系のようだ。
一方、廣戸川は地図で見あたらない。いつもお世話になっている「川の名前を調べる地図」でも出てこない。小さな支流と思われるが、おそらくは太平洋側に注ぐ阿武隈川水系だろう。
ひとつの酒蔵が醸す酒の銘柄として、太平洋側と日本海側の水系に分かれるという事例は、おそらくは日本唯一ではないだろうか。